メキシコ銀貨の買取価格

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メキシコ銀貨は、メキシコ政府（造幣局）が発行する銀製の硬貨で、かつては国内通貨や海外貿易用として広く使われてきました。豊富な銀資源を背景にメキシコでは長い間、銀貨が日常の硬貨として流通し、また19世紀以降は「メキシコドル（8レアル銀貨）」として世界中で貿易銀の役割を果たしました。

メキシコ銀貨は、豊かな歴史背景と個性的なデザインが魅力です。
これから紹介する9種類の銀貨も、それぞれが国章や女神像、暦石や英雄の肖像などを取り入れた図柄を持ち、メキシコの歴史や文化を伝えています。初心者の方でも手に取りやすい親しみやすいコインですので、ぜひ気軽にご覧ください。

メキシコ貿易銀（メキシコドル、8レアル銀貨）

• 額面：8レアル（ペソ銀貨、いわゆる「メキシコドル」）。1824年から1897年までほぼ同じデザインで発行されました。
• 特徴：銀品位約90.2%、重量約27.07g、直径約38.9mm。スペイン植民地時代以来のメキシコ銀貨で、国際貿易に広く流通した大型銀貨です。
• 表面：自由の帽子（リバティキャップ）と光線が描かれ、周囲に「LIBERTAD」（自由）、「8R」「Mo」（造幣所記号）、「発行年」、「10Ds.20Gs」（銀品位の符号）が刻まれています。
• 裏面：メキシコ共和国の鷲と蛇の国章が中央にあり、周囲に「REPUBLICA MEXICANA」（メキシコ共和国）と国名が入ります。
• 背景：メキシコ独立後まもなく発行され、品質の高さから19世紀に日本を含む国際貿易で流通した「貿易銀」の代表格です。日本では「墨銀（ぼくぎん）」とも呼ばれ、清朝末期まで広く流通しました。

メキシコ・リベルタ1ペソ銀貨

• 額面：1ペソ。1920～1945年頃に一般流通用として大量発行された銀貨です。
• 特徴：直径約34mm、重量約16.6g、銀品位90.0%（銀0.720）。自由を象徴するデザイン（リベルタード・キャップ）が用いられています。
• 表面：メキシコ国章（サボテン上の鷲と蛇）と周囲に「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」（メキシコ合衆国）が刻まれています。
• 裏面：輝く光線と自由の帽子（フェドーラ帽）の意匠で、上部に「LIBERTAD」、中央にスペイン語で「UN PESO」、下に製造年が刻まれます。文字通り“自由（リベルタ）”を表現した図柄です。
• 縁（コイン側面）：切り文字で「INDEPENDENCIA Y LIBERTAD」（独立と自由）が刻まれています。
• 背景：メキシコ独立戦争後の1920年代以降に発行。スペイン統治からの独立精神を反映したデザインで、当時は流通量も多く人気がありました。

メキシコ・リベルタード1オンス銀貨（勝利の女神）

• 額面：（1オンス銀貨として法定通貨扱い）。銀重量1トロイオンス（約31.1g）。銀品位99.9%（純銀）。
• 特徴：直径40mm、厚さ約3.0mm:。重量約31.1gの大型コインで、純度が非常に高いのが特徴です。
• 表面：中央にメキシコ国章（サボテン上の鷲と蛇）を配し、その周囲をメキシコ歴代の紋章10種類で囲むデザイン。周囲には「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」（メキシコ合衆国）が刻まれています。
• 裏面：メキシコ・メキシコシティにある独立の天使像（勝利の女神、ニケ像）が描かれ、背景にイスタシワトル火山とポポカテペトル火山が見えます。通常、重量と年号、銀品位（LEY .999）などが記載されます。
• 背景：1982年発行開始の現代銀貨シリーズで、スペイン統治からの独立を記念するデザインです。表の女神像はメキシコ独立の象徴とされ、日本では「勝利の女神」と呼ばれています。

メキシコ天秤1オンス銀貨（1949年・1978–80年）

• 額面：（額面表記なし）。メキシコ造幣局が地金型として発行した銀貨です。
• 特徴：銀品位92.5%、重量約33.0g（約1.06トロイオンス）。直径約40mm、厚さ約3.5mm程度で通常よりやや重いです。
• 表面：コイン製造機械が描かれており、独特のデザインです。
• 裏面：天秤の図案があり、「天秤銀貨」と呼ばれる由来になっています。
• 背景：1949年と1978–1980年の限定年に鋳造。地金型（インゴット型）銀貨として、合法通貨ではなく純銀を保有するためのコレクター向け銘柄でした。

メキシコ アステカ5ペソ銀貨（クアウテモク像）

• 額面：5ペソ。1947年～1948年に発行された銀貨で、流通枚数は少なめです。
• 特徴：銀品位90.0%、重量約30.0g。直径約40mm程度で、大型の5ペソ銀貨です。
• 表面：アステカ帝国最後の皇帝クアウテモク（Cuauhtémoc）の胸像が描かれ、上部に「CINCO PESOS」、下部に「30 GRAMOS LEY .900」と刻印されます。またミントマーク「Mo」と鋳造年（1947年または1948年）が入ります。
• 裏面：メキシコ国章（鷲と蛇、サボテン）の図案で、周囲に「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」（メキシコ合衆国）が刻まれています。
• 背景：スペイン統治からの独立戦争にちなんで、アステカ文化の象徴的存在であるクアウテモクを描いた特別デザイン。発行年が限られるため希少コインとなっています。

メキシコ イダルゴ5ペソ銀貨（大型）

• 額面：5ペソ。1952年に発行された独立指導者ミゲル・イダルゴの生誕200周年記念銀貨です。
• 特徴：銀品位72.0%、重量約27.78g、直径40mm、厚さ約2.5mm。
• 表面：メキシコ国章（鷲と蛇）の中央下部に「CINCO PESOS」と「Mo」と年号が刻まれており、周囲には「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」と刻まれています。
• 裏面：ミゲル・イダルゴ神父の左向きの肖像と、下部に「HIDALGO」が刻まれます。
• 背景：独立運動指導者イダルゴを称えた大型の銀貨。

メキシコ イダルゴ5ペソ銀貨（小型）

• 額面：5ペソ。1955年～1957年に通常発行された小型イダルゴ銀貨です。
• 特徴：銀品位72.0%、重量約18.055g、直径36mm、厚さ約2.2mm。
• 表面：メキシコ国章（鷲と蛇）の中央に「CINCO PESOS」と「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」、「18.055 G · YYYY · LEY .720」（重量・西暦・品位）が周囲に刻まれています。
• 裏面：ミゲル・イダルゴ神父の左向きの肖像で、上部に「INDEPENDENCIA Y LIBERTAD」、下部に「HIDALGO」が刻まれます。
• 背景：独立運動指導者イダルゴを称えた通常発行銀貨。より小型で携帯しやすく、1950年代の一般流通用として広く使用されました。

メキシコ 10ペソ銀貨

• 額面：10ペソ。1960年メキシコ独立150周年記念して発行された銀貨です。
• 特徴：銀品位90.0%、重量約28.888g、直径40mm、厚さ約2.7mm。
• 表面：メキシコ独立の指導者ミゲル・イダルゴ神父と、フランシス・デマロ大統領の肖像。周囲にはINDEPENDENCIA Y LIBERTAD (独立と自由)とSUFRAGIO EFECTIVO NO REELECCIÓN (有効な選挙権、再選禁止)が刻まれています。
• 裏面：メキシコ国章（鷲と蛇）とその周りにESTADOS UNIDOS MEXICANOSと刻まれており、外周にはDIEZ PESOS、28.888 G、LEY 900、1960と刻まれています。
• 背景：メキシコ独立戦争150周年とメキシコ革命50周年を記念して、1960年に発行されました。

メキシコ 100ペソ銀貨

• 額面：100ペソ。1977–1979年に発行された大きめの記念銀貨で、独立運動指導者モレロスを称えています。
• 特徴：銀品位72.0%、重量約27.78g、直径39mm、厚さ約2.84mm。
• 表面：メキシコ国章（鷲と蛇）の図案で、上部に「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS」が刻まれます。
• 裏面：ホセ・マリア・モレロス（José M. Morelos）の正面肖像が描かれ、左に「CIEN 」、右に「PESOS」、さらに「Mo 1977」、「PLATA PURA 20 Gr. LEY .720」と年号・純銀量（20グラム）・品位が刻まれます。
• 背景：メキシコ独立の英雄モレロスの功績を讃えて、1977～79年に発行されたコイン。比較的重量のある銀貨で、当時のメキシコ文化・歴史を反映しています。