金1オンスの価値は?売却する時の注意点も解説

金1オンスの価値は?売却する時の注意点も解説

金など貴金属の重さを表す単位「オンス」ですが、実際に金1オンスの重さがどれぐらいなのか、そしてどれだけの価値があるかをご存知でしょうか。

金の取引で損をしないためにも、この記事を読んで、金1オンスの価値を正しく知って頂ければと思います。

記事の後半では金を売却する時の注意点も紹介していますので、これから金の取引を考えている方は参考にしてみてください。

執筆・監修者
渡邉 博古銭鑑定士
父親の影響で、幼少のころから古銭(特に100円銀貨や10万円金貨)に慣れ親しむ
2012年、慶應大学理工学部在学中に創業し、古銭の買取・販売を始める。
2022年、日本唯一の古銭鑑定機関「貨幣商協同組合」に加盟
現在は古銭鑑定士として、テレビ等メディア出演多数
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オンスとは?

オンス(ounce)は、様々な物の重量を表す単位としても使われていますが、一口にオンスと言っても複数の役割を持っているため、意味を混同しやすい単位とも言えます。

金など貴金属の重さを表す際に使われるオンスは、正しくは「トロイオンス(troy ounce)」を用いるので、金の単位として使う際のオンスは呼びやすくした略称というわけですね。

前述の通りオンスは様々な重量の単位として用いられるので、ここでは国際的によく使われていて混同しやすい以下の3種類のオンスを解説します。

  • 常用オンス
  • 液量オンス
  • トロイオンス

常用オンス

常用オンス(avoirdupois ounce)とは、世界的に見て最も一般的に使われるオンスの単位です。アメリカやイギリスなどで使われており、食品や日用品といった日常で使う物の重さを測る際に用いられます。

アメリカでは重さの単位として「(常用)オンス」と「ポンド」の2種類を使っており、日本だとボクシングなどで「ポンド」は聞いたことがあるかもしれません。
ポンドよりも小さな単位がオンスであり、16オンス=1ポンドで換算されます。日本のような数え方とは異なるので、日本人からすると少し計算がややこしいと言えそうです。

この常用オンスをg(グラム)で表すと、1オンス=28.3495gです。私たちが普段使っている100円玉が1枚4.8gなので、1オンスは100円玉6枚弱ぐらいの重さとなります。意外と重く感じるかもしれません。

単位記号はISO規格で定められており「oz」と表記します。

液量オンス

液量オンス(fluid ounce)は、厳密には重量の単位ではなく、「液体の体積(量)」の単位です。単位記号は「fl oz」と表記し、1液量オンス=約30mlとなります。

日本ではあまり馴染みのない単位ですが、バーなどでウイスキーの量を「シングル」や「ダブル」とと表現している場面を見たことはありませんか。ここで言うシングル=1液量オンス=約30mlのことなので、お酒を飲む人であればご存知かもしれません。

実際にアメリカなどでは、昔ながらの瓶コーラ190mlに「6.5 FL OZ」と表記されています。

トロイオンス

トロイオンス(troy ounce)は、金・銀・プラチナといった貴金属の重さを測るために用いられる国際標準の単位です。単位記号は「toz」ですが、場合によって常用オンスと同じ「oz」が用いられる場合があります。

1トロイオンスをグラムに換算すると「約31.1034g」であり、常用オンスとは1オンスの重さが異なるので注意しましょう。

トロイオンスの「トロイ」は、パリのシャンパーニュ地方にある「トロワ」地区が語源とされています。

1300年代、様々な商業が発展したトロワに世界中から多くの商人が集まるようになり、その結果、大きさや品質が異なる金貨がたくさん流通していました。
様々な金貨の価値の基準を適切に設けるために重量を採用し、「トロイオンス」の単位が使われるようになったのです。

参考:日本でも人気!外国金貨の種類・買取価格をご紹介します!

金1オンスの重さ

金1オンスの重さ

金の重さを示す際の正式な単位はトロイオンスですが、実際はオンスで表記されるケースも多く、その場合は金1オンスは「約31.1034g」です。

世界各国で発行されている金貨の種類は1オンスだけではなく、例えばカナダのメイプルリーフ金貨だと、1/2オンス・1/4オンス・1/10オンスなど、重さによって種類が異なる金貨もあります。

金の重さを表すときのオンスは、グラム換算をすると小数点以下が複雑になってしまうため、下記のように考えると分かりやすくなるでしょう。

\ オンスをグラムに換算 /
オンス グラム
1オンス 約32g
1/2オンス 約16g
1/4オンス 約8g
1/10オンス 約4g

金1オンスの価値はどれくらい?

金1オンスの価値はどれくらい?

金貨の価値は、金の含有率と重さによって決まるのが一般的です。

例えば、含有率が99.99%以上とほぼ金だけで作られている純金(K24)の地金型金貨は、1オンス(約31.1034g)×1gあたりの金相場によって価値が決まります。

当店で言えば、2024年11月1日時点の純金(K24)1gあたりの価格は「13,226円」でしたので、1オンス金貨の買取価格は「約41万円」ほどでした。

もちろん、金貨の種類や保存状態によって買取価格は上がる場合もあるため、個別の買取価格については当店へお問い合わせください。

注意!アンティーク金貨には金の重さ以上の価値がある!

金の含有率や重さが同じであれば、どの金貨も同じ価値というわけではありません。
特にコレクション要素の強いアンティーク金貨は、金そのものの価値に加え、歴史的な背景や希少性といった要因が加わることで、金の重さ以上の価値がつく場合があります。

中国のパンダ金貨、表
背景によって価値が変わる金貨と言えば、中国のパンダ金貨などがその典型です。中国のパンダ金貨は毎年デザインが変わるのが特徴で、発行された年号によって価値が大きく異なります。
パンダ金貨の価値と相場
種類 金としての価値(※) 取引相場
2000年 5元金貨(1.56g) KM#1302
※鏡面仕上げ

23,400円

30,000円~

1998年 10元金貨(3.11g) KM#1127

46,650円

60,000円~

1998年 25元金貨(7.78g) KM#1128

116,700円

140,000円~

※15000円/1g換算

上記のように、金としての価値から3割ほど高い価格相場になったケースもあります。

アンティーク金貨は、金そのものの価値だけでなく、需要によって価値が大きく変動するものだと覚えておくといいでしょう。

参考:今日の金貨の値段はいくら?種類別の価格&変動する理由を解説

金を売却する時の注意点

金を売却する時は、タイミングや手続き方法、店舗選びなどいくつか押さえておくべきポイントがあります。金をより高価格で売却したいのであれば、ここでご紹介する注意点を理解しておきましょう。

  • 価値が変動するためタイミングに気を付ける
  • 本人確認書類の提示が必要
  • 店舗によって売却金額が異なる

ここでは特に重要な3つの注意点について、それぞれ具体的に解説します。

価値が変動するためタイミングに気を付ける

金の価値(取引価格)というのは、国際的な相場や経済状況、供給と需要のバランスなどによって24時間365日変わり続けています。そのため、金を売却する際はできるだけ相場が高い時期を狙うのがおすすめです。

金の最新の価格相場は、貴金属の販売店や金貨を買い取りしている店舗のサイトなどで確認できます。当店ウェブサイトでも「地金型の外国金貨の買取価格表」として全種類毎日更新をしていますので、ぜひご確認ください。

また、金を売却する際は為替レートにも注意しておきましょう。基本的に金は「米ドル」で取引されるため、日本で取引を行う場合は、米ドルを日本円に換算してから売却価格が決定するからです。

より高値で金を売却したいのであれば、できるだけ円安の時期をおすすめします。

本人確認書類の提示が必要

買取専門店などに金を買い取ってもらう際は、本人確認書類の提示が必須となります。金に限らず、個人が所有する中古品の売却取引を行う場合、運転免許証やマイナンバーカード等、身分を確認できる書類の提示が法律によって義務付けられているからです。

金を所有している本人以外が代理で売却する場合は、本人確認書類だけでなく、所有者本人の身分証や、委任状などが必要になるケースもあります。

未成年者(18歳未満)の場合は、店舗や地域の自治体によって売却を制限している場合が多く、売却が可能であっても必ず保護者の同意書が必要になるなど、より厳格に確認が行われています。

店舗によって売却金額が異なる

金の買い取りを実施している店舗は非常にたくさんあり、金の重さや純度が同じであっても、店舗ごとに査定基準や手数料などが異なるため、金を売却する店舗によって金額が異なります。

チェックすべきポイントとしては、その店舗に「専門の鑑定士が在籍しているかどうか」です。
金や金貨などの買い取りは、適切な査定金額を出すために非常に高度な知識が必要となります。金についてあまり知識が無い店舗に持ち込んでしまうと、実は相場よりも売却価格が低くて損をした…といったことにもなりかねません。

弊社以外の事例ではありますが、本来であれば地金の価値に加え、骨董的な価値も上乗せされるはずのアンティーク金貨が「地金の価値のみで提示された」といった事例も発生しています。

本来の価値を分かっていて”あえて”低い査定を提示する悪質な業者もありますが、金貨に対しての知識が足りておらず、結果的に低い査定を出してしまったという可能性もあり、すべてが悪質な業者というわけではないので注意してください。

そういった事例もあるので、売却先を選ぶ際は、口コミの評価が高い店舗を選んだり、ウェブサイト等で買取価格をしっかり提示している店舗を選ぶようにしましょう。

当店では金貨だけでなく、古銭や外国コインなどの買い取りなども実施しております。
買取方法も非対面の郵送買取、訪問や店舗での買取などがあり、事前に査定額を知りたい方はLINEでの無料査定も行っておりますので、ぜひご利用ください。

参考:金貨の買取実績から見る!売り時と買い時の見極め方は?