一朱銀の重さはどのくらいか身近な例から紹介!重さと価値の関係とは
どのくらいの重さか想像できますでしょうか。この記事では、一朱銀の重さについて詳しく解説し、身近なものと比べながらイメージしやすくお伝えします。
重さと価値の関係や、本物と偽物の見分け方についても紹介するので、通貨の歴史に興味がある人はもちろん、手元に似たようなものを持っているという人も必見です。
目次
一朱銀(いっしゅぎん)の重さや大きさ
一朱銀は、江戸時代後期から明治初期にかけて流通した小額銀貨です。
その重さや大きさは、時代や種類によって微妙に異なります。
一朱銀の標準的な重さ
一朱銀には3種類あります。それぞれの重さは以下の通り。
一朱銀 | 重さ |
文政南鐐一朱銀 | 約2.6g |
嘉永一朱銀 | 約1.9g |
貨幣司一朱銀 | 約1.9g |
銀の含有量や掘りの浅い・深いで重さは変わりますが、誤差があっても0.1g程度とされています。
一朱銀の大きさと形
一朱銀の形はすべて長方形ですが、大きさは種類によって異なります。
一朱銀 | 大きさ |
文政南鐐一朱銀 | 約17×11×1mm |
嘉永一朱銀 | 約9.8×15.5×1.6mm |
貨幣司一朱銀 | 約9.9×15.8×1.7mm |
文政南鐐一朱銀は他に比べて大きいですが、嘉永一朱銀と貨幣司一朱銀はほとんど同じサイズです。
それぞれの時代の背景に沿ったサイズになっているのでしょう。
身近な例で比べてみよう!一朱銀の重さ
〇〇グラムと言われても、なかなか想像しにくいと思います。
では、一朱銀の重さを実感するために、身近なものと比べてみましょう。
日用品と比べる一朱銀の重さ
一朱銀の重さは1.9~2.6gです。2g前後のものを見ていきましょう。
- 一円玉2枚(2g)
- 鉛筆半分(2g)
- A4用紙半分(2g)
- クリップ1つ(1.9g)
- ペットボトルのキャップ(2g)
いかがでしょうか。
2g前後というとかなり軽いものであることがわかりますね。
食品と比べる一朱銀の重さ
続いて、食品の重さと比べてみましょう。
- 抹茶小さじ1杯(2g)
- 角砂糖1個(3~4g)
- ポテトチップス1枚(2g)
- 白米100粒(2.1~2.3g)
- もやし3本(2.4g)
自宅にあるものはありますか?
実際に持ってみることで、一朱銀の重さが感じられると思います。
一朱銀の素材と重さの関係
一朱銀の重さは、素材で決まっています。
一朱銀 | 素材 |
文政南鐐一朱銀 | 金:約0.1%、銀:約99%、その他:約0.9% |
嘉永一朱銀 | 金:約0.2%、銀:約98.7%、その他:約1.1% |
貨幣司一朱銀 | 金:約0.1%、銀:約87.9%、その他:約12% |
素材の違いは、時代による銀の価値や幕府の財政状況を反映しています。
江戸時代後期の文政南鐐一朱銀と嘉永一朱銀は、高品質の銀合金である南鐐や花降銀料を使用して製造されていました。
これに対し、明治時代に入って造られた明治一朱銀(貨幣司一朱銀)では、材質に変更が加えられました。明治一朱銀の素材は、それ以前のものと比べてやや品質を落とした、洋銀に近い性質の銀合金が用いられたのです。
また、手作業による製造のため、同じ種類の一朱銀でも微妙な重さの違いが生じることがありました。
一朱銀の重さで価値は変わる?
一朱銀の重さは、その価値に大きな影響を与えます。
では、どのように影響を与えるのか見ていきましょう。
重さが価値に与える影響
一朱銀の重さが価値に与える影響は以下の通りです。
- 本物かどうかの判断材料
- 保存状態の指標
- 銀の含有量
重さは、本物かどうか、保存状態はいいか、銀がどのくらい含まれているかの判断材料として役立ちます。
一朱銀は、摩耗や損傷によって多少軽くなることもあります。
しかし、基準よりもかなり軽いものは基本的に偽物だと見なされるでしょう。
1番価値の高い重さを持つ一朱銀
文政南鐐一朱銀と嘉永一朱銀は2,00円前後ですが、貨幣司一朱銀だけは100,000円前後になることもある一朱銀です。
先ほど、貨幣司一朱銀の方が銀の質が落ちていることを紹介しましたが、1番高額なのです。これは、素材ではなく希少性から価値設定がされているためです。
貨幣司一朱銀は1868年5月9日から翌年の1869年3月17日までの、約10か月間しか発行されていません。そのため発行数、流通数とも少なく、希少価値が高いとされているのです。
本物の一朱銀と偽物の重さの違い
先ほども簡単に紹介しましたが、本物の一朱銀と偽物を見分ける上で、重さは重要な指標となります。
本物の特徴としては以下のポイントが挙げられます。
- 基準重量に近い
- 素材の密度が正確
- デザインが間違っていない
反対に、偽物の特徴として挙げられるのが以下のポイントです。
- 軽すぎたり重すぎたりする(純銀で作られた偽物もある)
- 素材の密度が不正確
- デザイン違う
重さだけで完全に本物かどうかを判断することは難しいです。
他にも、刻印の精密さや表面の質感なども合わせて総合的に判断する必要があります。
一朱銀の重さを量る方法
では、自分で一朱銀の重さを正確に測ることはできるのでしょうか。
ここでは、重さを量る方法を紹介します。
自宅での量り方
自宅で一朱銀の重さを測る方法には、以下のようなものがあります。
- デジタルスケールの使用
- 天秤の自作
スケールを使用するなら、デジタルのもので0.1グラム単位で測定できるものを使いましょう。
また、定規やコインを使って簡易的な天秤を作り、先ほど挙げた身近なもので近い重さのものを比べることも可能です。
ただ、自宅で測定するには注意点もあります。
- 清潔な平面で測定する
- 複数回測定し、平均値を取る
- 柔らかい布の上で測る
不純物の重さも量ってしまわないように、清潔な平面で複数回測定することが大切です。
一朱銀を直接スケールに乗せると傷つく可能性があるため、布に乗せましょう。その際、布の重さも考慮することを忘れずに。
プロによる測定
より正確な重さの測定には、専門的な機器と知識が必要です。
プロに量ってもらうと、以下のような機器を使用してくれます。
- 0.01グラム単位で測定可能な精密電子天秤
- 素材を判定できる比重計
- 非破壊で内部の成分分析が可能なX線分析装置
プロによる測定であれば、高精度の測定ができるだけではなく、本物かどうかの判定も同時に行えます。
また、適切な価値評価やアドバイスも得られます。
もし売却を検討しているという場合は専門店で測定してもらいましょう。
まとめ:一朱銀の重さでわかる江戸時代の価値観
一朱銀の重さはとても軽いです。しかし、この軽量な古銭に江戸時代の経済状況や技術力、価値観などがつまっているのです。
現代では、一朱銀の重さは価値を判断する重要なポイントとなっています。もし手元に古い銀貨があれば、重さを量ってみるのも面白いでしょう。
ただし、正確な価値評価には専門家の目が必要です。
お持ちの古銭を鑑定してみたいという場合は、ぜひアンティーリンクまでお問い合わせください。一朱銀だけではなく、その他の記念硬貨や古銭を取り扱っています。