文政二分判金とは?2種類の違いと見分け方から現在価値まで紹介!

皆さんの中には、日本の昔のお金の価値について気になる人はいらっしゃいませんでしょうか?

今回紹介する文政二分判金は江戸時代に発行された金貨の一つです。

本記事では、文政二分判金の種類や見分け方、現在の価値を紹介します。

本記事を読み、文政二分判金に興味を持っていただければ幸いです。

文政二分判金(文政二分金)とは?

文政二分判金は、江戸時代に発行された貨幣です。

はじめに文政二分判金の概要や歴史、実は2種類ある文政二分判金の違いについて解説していきます。

 概要(重さや寸法など)

文政二分判金は、当時の政治を担っていた江戸幕府が1818年に発行した金貨です。

文政二分判金は2種類あり、重さや寸法は以下の表の通りです。

真文二分 草文二分
重さ

6.52g

6.56g

寸法

縦2.3cm×横1.4cm

縦2.3cm×横1.4cm

品位(※)

金563・銀437

金490・銀510

運用時期

1818年~1835年

1828年~1842年

発行枚数

2,986,022両(5,972,044枚)

2,033,061両2分(4,066,123枚)

※品位:貨幣の含んでいる金銀の割合

2種類合わせて、24年ほどの四半世紀の間、運用されてきました。

 歴史

文政二分判金は、1818年(文政元年)に発行開始されました。

江戸幕府は1603年に開かれましたが、当時あった莫大な財産は、1800年代に入るとすっかり影を落としており、財政難に陥っていました。

そこで、幕府の財政を立て直すために、実施された施策が文政の改鋳(かいちゅう)です。

ここでは金の品位を下げた貨幣を金の品位が高い傷んだ小判と交換を行うことで、金を回収し利益につなげようとしました(出目)。

参考:日本銀行金融研究所 江戸時代における改鋳の歴史とその評価 

この金の回収作業により、財政を盛り立てようとしたのです。

 種類と違い

文政二分判金は、2種類あると前述しました。

この2種類の違いですが、デザインが異なっており、違いは以下の表の通りです。

真文二分 草文二分
デザイン

裏面の「文」の文字が楷書体

裏の「文」の文字が草書体

他にも以下の違いがあります。

  • 品位が草文二分の方が低い
  • 草文二分の方がわずかに重い
  • 発行枚数は真文二分が多い

上記から、文政二分判金でも品位を下げて、さらに幕府の財政赤字補填を試みたのが分かります。

見分け方

ここでは、文政二分判金の見分け方を簡単に紹介します。

各種類の見分け方や違い、偽物との判別方法を確認してみましょう。

真文二分と草文二分の見分け方

真文二分と草文二分の違いの特徴的な点として、貨幣に刻まれた文字の違いがあります。

それぞれの種類で見分ける方法は、文字の特徴で判別するのが簡単です。

貨幣裏面の右上に「文」と記載されているので、しっかり書かれている(真文二分)か、崩されて書かれているか(草文二分)で判別すると良いでしょう。

他の二分判金との違い

江戸時代に発行された二分判金にも様々な種類があります。

文政二分判金以外の主な種類は以下の通りです。

  • 安政二分判金
  • 万延二分判金
  • 明治二分判金

主な見分け方は縦の寸法が違うので、寸法で見分ける方法が簡単と言えるでしょう。

詳しくは、関連記事を確認してみてください。

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 偽物との判別

二分判金の中には、残念ながら偽物が出回っているケースもあります。

偽物を掴まないために、皆さんが確認できる方法は以下の通りです。

  • 重さを測る
  • 色を確認する
  • デザインを確認する

詳しくは、本サイトで紹介している関連記事を確認してみてくださいね。

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現在の価値

ここでは、文政二分判金の現在の価値を解説します。

買取業者、国内オークション、海外オークションサイトでの真文二分と草文二分それぞれの現在価格を確認していきましょう。

なお、今回紹介する価格は2024年9月時点の価格です。

皆さんが実際に売却、出品しようとした時と価格が異なる場合があるので、その点は留意のうえで、確認してくださいね。

 買取業者

買取業者の文政二分判金2種の買取価格は、以下の表の通りです。

真文二分 40,000円
草文二分 28,000円

価格参考:アンティークリンク 

どちらも1万円以上の高価格がついていました。

その中でも金の品位が高い点が影響しているからか、真文二分の方が価格が高い傾向にあります。

もし、買取業者への売却を検討している場合は、偽物ではないか鑑定を兼ねて相談すると良いでしょう。

 国内オークションサイト

国内オークションサイトでの価格も見ていきます。

国内オークションサイトでの、真文二分と草文二分の出品価格は以下表の通りでした。

真文二分 6,750円~96,000円
草文二分 17,500円~68,000円

参考: ヤフオク
参考:ヤフオク

こちらも最高値は真文二分の方が高額傾向でした。

手数料を差し引いても、買取業者より高く売れる可能性があります。

そのため、より高額での売却を目指している人は、国内オークションサイトでの売却を検討しても良いでしょう。

 海外オークションサイト

最後に海外オークションサイトeBayでの出品価格も見てみましょう。

それぞれの価格は以下の表の通りでした。

真文二分 出品なし
草文二分 640$程度(日本円:89,600円程度 1$=140円と仮定)

参考  eBay

出品数自体が少ない、もしくは無かったので、参考程度の価格になります。

上手く売却できれば、国内オークションサイトより高値になる可能性を秘めていますが、売れないリスクがある点に注意が必要です。

また、海外オークションサイトは、落札者と英語でのやり取りになります。

英語が苦手な人は国内オークションサイトか買取業者での売却を検討した方が良いでしょう。

よくある質問

最後に文政二分判金に関連するよくある質問に対して回答します。

 現代の貨幣価値に換算するとどれくらいの価値がありますか?

文政二分判金は、現在の貨幣価値に換算するのは困難です。

目安として、二分判金自体がかけそば200杯分というデータがあります。

今のかけそばの価格が、名代富士そばの価格が420円なので、およそ84,000円程度と捉えられます。

文政二分判金1枚だけでも、かなり高額であると言えるでしょう。

 どこで買えますか?

主に古銭販売業者やオークションサイトで購入、落札することで入手ができます。

それぞれのメリット・デメリットは以下表の通りです。

販売古銭販売業者オークションサイト
メリット

比較的安心して購入できる 実物を実際に見て購入可能

業者より安く購入できる可能性がある ネット上で手軽に落札(購入)できる

デメリット

オークションサイトより割高になる可能性がある

偽物を掴むリスクがある

安心して購入したい場合は、古銭販売業者からの購入を検討すると良いです。

ただし、古銭販売業者であっても、様々な評判などをチェックして、信頼できる業者から購入するようにしてください。

 売却したい場合はどうすればいいですか?

もし文政二分判金が手元にある場合は、買取業者に相談・鑑定をしてもらいましょう。

本物で納得いく価格提示があれば、そのまま売却も可能です。

オークションサイトの場合は、買取業者より高値で売れる可能性がありますが、万一のトラブルリスクも秘めています。

そういったリスクを防ぐためにも、まずは買取業者に相談をおすすめします。

まとめ

本記事では、文政二分判金の概要や種類、見分け方や現在価値を紹介しました。

文政二分判金は、2つの種類が存在する珍しい二分判金です。

皆さんも興味があれば、どこで入手できるか調べてみてはいかがでしょうか?