【画像付き】寛永通宝の島屋文の見分け方を伝授!

寛永通宝の島屋文

古銭の専門家として、古銭鑑定士兼株式会社アンティーリンク代表取締役社長の渡邉博のコメント

皆さん、わかりましたか?今回は、島屋文という珍しい種類の寛永通宝について解説していきます。

この記事では、島屋文の見分け方を画像を使って詳しくお伝えしていきます。
島屋文は、寛永通宝の中でも非常に価値が高い種類です。そのため、もし大量に寛永通宝をお持ちの場合は、是非この記事を参考に探してみてください。

また、そもそも島屋文ってなに?という話や、島屋文の歴史などのお話も記事後半にまとめておりますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。

執筆・監修者
渡邉 博古銭鑑定士
2012年、古銭買取専門店「アンティーリンク」を創業し、古銭の買取・販売を始める。
2022年、日本唯一の古銭鑑定機関「貨幣商協同組合」に加盟
現在は古銭鑑定士として、テレビ等メディア出演多数
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画像で寛永通宝の島屋文を見分けてみよう

こちらの画像では、4種類の寛永通宝を並べておりますが、島屋文は一番右の寛永通宝です。
寛永通宝の島屋文は一番右
皆さん、わかりましたか?どれも似たようなもので難しかったのではないでしょうか。
ただ、わりと近い見た目の3種類を集めてきたので、これが見抜けたらもうバッチリです。
見抜けなかった方も、これから見分け方を解説していきますので、この記事を読めば島屋文をマスターすることができますのでご安心ください。

島屋文を見分ける3つのポイント

島屋文は、正字文という価値のない通用銭とよく似ています。
そこで今回は、正字文と比較をしながら見分けるポイントをご紹介します。

まずは全体を見比べてみましょう。

島屋文(無背)比較

島屋文は、正字文と比較して彫りが深いものが多いです。
ですが、彫りの深さだけで判断をすることはできません。
分類には複数のポイントをチェックする必要があります。
島屋文の分類で見るべきポイントは3つです。

  • ①「通」の字
  • ②「永」の字
  • ③「寶」の字

1つづつポイントをチェックしていきましょう。

①「通」の字を確認する

「通」の字

まずは「通」字の頭の形状に注目します。
島屋文はカタカナの「ユ」に見えます。これはユ頭通と呼ばれ、島屋文の特徴です。
正字文はカタカナの「コ」に見えます。これはコ頭通と呼ばれます。

②「永」の字を確認する

「永」の字

次は「永」字です。ここは2項目あります。
・「永」の右側の「く」画、先端のハネ
島屋文はハネが長く大きいですね。正字文はハネが小さく、短いです。
・「永」の真ん中、永柱の位置
島屋文は永柱が下にいくほど左側にずれています。対して正字文はほぼ垂直におりています。

③「寶」の字

「寶」の字

最後は「寶」の文字です。こちらも2項目チェックします。
・「寶」のウ冠の頭点
島屋文は頭点が長く大きいです。正字文は頭点が小さくなっています。
・「寶」の足元と、中央の穴との位置関係
島屋文は「寶」の足元が穴の下位置より下がっています。正字文は「寶」の足元が穴の下位置とほぼ同じ位置にあります。

以上が島屋文の見分けるポイントです。
島屋文はここで挙げた3ポイントと、彫りなど全体の印象を総合的に判断して見分けていきます。

古銭の専門家として、古銭鑑定士兼株式会社アンティーリンク代表取締役社長の渡邉博のコメント

島屋文かどうかは表面でチェックが中心ですが、反対面も確認するようにしましょう。

反対面に「文」の字があったらお宝品!

表面を見て島屋文と見分けたら、その反対側の面も確認してみましょう。
チェックすべきポイントは簡単で「文」の字があるかないかです。

もし島屋文の裏面に「文」の字があれば、一気に価値が上がります。
アンティーリンクでは状態によっては10万円以上でお買取りしております。
※無背の島屋文の場合は、6,000となります。

文の字も、よくある正字文という寛永通宝と見分けてみましょう。

島屋文(背文)

島屋文の見分け方のところでお伝えしたように、島屋文は彫りが深いため、文の字が力強いですね。
しかし正字文と比べて見ても、「文」字の書体に関しては特徴的な違いがありませんので、島屋文は表面で見分けていくことがまずは必須です。

古銭の専門家として、古銭鑑定士兼株式会社アンティーリンク代表取締役社長の渡邉博のコメント

島屋(無背・背文)の価値については、「寛永通宝の価値」の記事をご確認ください。

価値の高い古銭は早めに査定がおすすめ

もしお手元に「これって価値があるのかな?」と気になる古銭がありましたら、なるべく早めに査定を受けることをおすすめします。
古銭は非常にデリケートで、保管環境によってはサビや変色などの劣化が進み、価値が大幅に下がってしまう恐れがあるからです。

特に以下の点には十分ご注意ください。

  • 絶対に磨かない:汚れを落とそうとして磨くと、細かな擦り傷がつき、逆に価値が下がってしまいます。
  • 保管環境に注意:もし保管し続ける場合は、なるべく空気に触れないよう専用ケースに入れ、風通しの良い暗所で保管しましょう。

まずは一度査定を受けて正確な価値を確認し、それから「大切に保管し続ける」のか「売却する」のかを決めるのがおすすめです。

アンティーリンクでは、LINEやメールで画像を送信するだけで簡単に査定を受けられるサービスがございます。
「とりあえず価値だけ知りたい」という場合でも大歓迎ですので、お気軽にご利用ください。

島屋文の買取実績

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寛永通宝の島屋無背の古銭買取実績

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島屋文の歴史を知ろう

ここからは島屋文の名前の由来と「文」の一字から、その価値の理由を深掘りします。

名前の由来は個人名?古銭の愛称として後世に名を残した鋳造の名人

金種は異なりますが、現代の紙幣には毎度歴史の偉人が名を連ねていますよね。
北里柴三郎に津田梅子、渋沢栄一の名前は新紙幣発行の折によくニュースで見かけました。

島屋文の「島屋」は鋳造を担当した京都の人の名前です。

しかし、流石に江戸幕府を敷いた徳川家康や、寛永通宝を初の統一貨幣とした家光のように、フルネームが残っているような偉人には及びません。
島屋某(それがし)つまり島屋という苗字の誰かが手がけた、という小さな史実だけが寛永通宝の愛称として後世にまで残ったのです。

武将でも文化人でもなかった誰かは、研鑽を重ねた技術だけで、私たちの時代まで島屋の2文字を伝えました。

裏面の「文」の有無で現在の価値が変わる理由

島屋文(背文)の古銭としての価値が高いのは「文」の一字が期間限定の証だからです。

この一字が刻まれるのは、寛文の時代に鋳造された寛永通宝のみ。

寛文は江戸の初期、後西天皇と霊元天皇の時代で、期間は1661年4月25日~1673年9月21日まで。
言い換えれば、約12年の間に発行された寛永通宝の裏面にしか「文」の文字はありません。

300年以上も続く通用期間と比べると、相当短い期間です。

この期間に鋳造された寛永通宝には揃って「文」の一字が刻まれており、文字(ぶんじ)銭や文銭という総称で括られます。

古銭の価値は保存状態と現存枚数による希少性で決まります。
そのため鋳造された期間が短ければ、比例して現存枚数も少なくなりますよね。
無背と背文の間に価値の差があるのは、希少性に大きな差があるからでした。

文字銭(文銭)のように鋳造された時代によって、背面に文字が刻まれるものがあれば、鋳造された場所にちなんだ文字が刻まれるものもあります。
例で文字だけ挙げると、「佐」や「仙」などが当てはまります。
これらを覚えるだけでも、寛永通宝の現在の価値を見分けるのが早くなります。

寛永通宝「島屋文」に関するよくある質問

島屋文の「無背(むはい)」と「背文(はいぶん)」、価値はどれくらい違いますか?

種類や状態によりますが、裏面に何もない「無背」が数千円程度であるのに対し、裏面に「文」の字がある「背文」は10万円以上の価値がつくこともあります。
背文は製造期間が短く現存数が少ないため、圧倒的に希少価値が高くなります。


文字がすり減って見分けがつかない場合はどうすればいいですか?

無理に判別しようとせず、そのままの状態でプロに見てもらうのが確実です。
自己判断で「これは価値がない」と決めつけたり、文字を読みやすくしようと磨いたりするのは避けましょう。すり減っていても、その他の特徴(書体の癖やサイズなど)から鑑定可能な場合があります。


大量の寛永通宝の中に島屋文がある確率はどれくらいですか?

残念ながら、島屋文が見つかる確率は非常に低いです。
寛永通宝は江戸時代を通じて大量に発行されており、その多くは価値の低い一般的なものです。もし大量にある場合は、アンティーリンクにご相談ください。


まとめ:寛永通宝「島屋文」は裏面も要チェック!

ここまで、希少な寛永通宝「島屋文(しまやぶん)」の特徴や見分け方について解説してきました。
最後に、島屋文を見分けるための重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 表面の3つの特徴:「ユ」の字に見える「通」、ハネが大きく左に傾いた「永」、頭点が長い「寶」の字で見分けます。
  • 彫りの深さ:一般的な正字文(せいじぶん)に比べて、文字の彫りが深く力強いのが特徴です。
  • 裏面の「文」:裏面に「文」の文字がある「背文(はいぶん)」なら、さらに希少価値が高まります。

「自分の持っている寛永通宝、もしかしたら島屋文かも?」
「ポイントを照らし合わせてみたけど、やっぱり自信がない…」

そのように感じた方は、ご自身で判断する前に、一度プロの目で確認させてください。
記事内でも触れたように、寛永通宝には100種類以上のバリエーションがあり、島屋文以外にも思わぬお宝が眠っている可能性があります。

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