1000円札の聖徳太子とは?1番多くお札に使われた人物の歴史や現在の価値を解説

1000円札の聖徳太子とは?1番多くお札に使われた人物の歴史や現在の価値を解説
聖徳太子が描かれた千円札は、日本の高度経済成長期を見守ってきた歴史的な紙幣です。なぜ聖徳太子が選ばれたのか、どんなデザインだったのか、現在はどのような価値があるのでしょうか。
日本で最も多くの紙幣に登場した聖徳太子の千円札について、詳しく解説します。

聖徳太子の1000円札はいつからいつまで使われていた?

聖徳太子の1000円札はいつからいつまで使われていた?

聖徳太子が描かれた1000円札は、1950年(昭和25年)から1965年(昭和40年)まで、15年間にわたって発行されていました。

発行開始の理由は、より高額の紙幣への需要があったため。インフレーションによる需要に対応しようとしたのです。

そして、発行終了の理由は、より高度な偽造防止技術を導入するためでした。また、時代の変化に合わせて新しいデザインへの変更も求められていました。
その結果、1963年(昭和38年)からは伊藤博文の肖像画を使用した新しい1000円札に切り替わりました。

聖徳太子が1000円札に採用された理由

聖徳太子が1000円札に採用された理由

聖徳太子が1000円札に採用された理由は、日本史上において重要だからです。

日本の国家形成期に大きな影響を与えた聖徳太子は、一体何をしたのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

日本の歴史を変えた聖徳太子の人生

聖徳太子(574年〜622年)は、飛鳥時代の政治家・思想家として知られています。彼の主な功績には以下のようなものがあります。

  • 十七条憲法の制定
  • 冠位十二階の制定
  • 遣隋使の派遣
  • 仏教の保護と普及

日本最古の成文法を作成したり、能力主義の官僚制度を導入したりしたことは、現在の政治にもつながる重要な功績です。

また、文化の面では遣隋使を派遣し中国文化を取り入れようとしたり、仏教を普及したりしました。これは、日本の文化の基礎となっています。現在でも聖徳太子の建立した寺院が残っていることから、当時からの偉大であったことがわかります。

聖徳太子は日本の政治・文化の基礎を築いた人物なのです。

聖徳太子の1000円札が発行された時代背景

聖徳太子の1000円札が発行された1950年代から1960年代中期は、日本の高度経済成長期と重なります。この時期、日本は戦後の復興から世界第2位の経済大国へと急成長をしています。

戦後の経済復興に伴う物価上昇により、100円札の発行が全体の95%を占めていました。そこで政府は、1000円札の発行を決定。当時、1,000円は相当な金額で、一般家庭の月収が1万円程度だった時代もありました。

聖徳太子が選ばれた主な理由は、その歴史的な功績と肖像の使いやすさです。その他にも、高度経済成長期に伴う近代化や国際化の時代背景も、聖徳太子が選ばれた理由の一つだと言われています。

聖徳太子の1000円札はどんなデザイン?

聖徳太子の1000円札はどんなデザイン?

聖徳太子の1000円札は、日本の伝統と文化を象徴する様々な要素を持つデザインになっています。
表面と裏面、それぞれの特徴を見ていきましょう。

表面の特徴

表面には聖徳太子の肖像画が右側に描かれています。この肖像画は、「聖徳太子二王子像」を基にしています。

肖像画の周りには、以下のような要素が描かれています。

  • 肖像の下に「聖徳太子」の文字
  • 肖像の枠は法隆寺の古瓦模様
  • 千円の文字の上下に宝相華の唐草模様
  • 地模様には玉虫厨子(法隆寺所蔵)の透金具の天平模様

全体的に、聖徳太子に関わりのある場所をモチーフにしたデザインになっています。

裏面の特徴

裏面にも、聖徳太子にゆかりの深い建造物や美術品が描かれています。

  • 左側に法隆寺夢殿
  • 右端に正倉院御物の「四騎獅子狩文錦」の織物の図柄

法隆寺は聖徳太子が建立したとされる寺院です。
他には、左右に「1000」の数字が描かれていたり、大きく「NIPPON GINKO」の文字が描かれていたりしています。

この文字の細かい模様は「千」のマイクロ文字で描かれており、当時の印刷技術では最先端の偽造防止技術でした。

聖徳太子が描かれた他の紙幣

聖徳太子が描かれた他の紙幣

聖徳太子は、日本の紙幣に最も多く登場した人物です。1000円札以外にも、以下の紙幣に描かれています。

  1. 乙百円券:1930年(昭和5年)~1946年(昭和21年)
  2. い百円券:1944年(昭和19年)~1946年(昭和21年)
  3. ろ百円券:1945年(昭和20年)~1946年(昭和21年)
  4. A百円券:1946年(昭和21年)~1956年(昭和31年)
  5. B千円券:1950年(昭和25年)~1965年(昭和40年)
  6. C五千円券:1957年(昭和32年)~1986年(昭和61年)
  7. C一万円券:1958年(昭和33年)~1986年(昭和61年)

※参考:日本のお札に最も多く登場した人物は? | 日本銀行

聖徳太子は戦前から戦後まで、日本紙幣に幅広く採用されています。戦前の文化形成から、戦後の日本の復興と発展を象徴する存在になっているのです。

聖徳太子の1000円札はまだ使える?

聖徳太子の1000円札はまだ使える?

聖徳太子の1000円札は発行終了から長い年月が経過していますが、まだ使用できる可能性があります。

ただし、いくつか注意点があります。

法律上は使用可能

法律上、聖徳太子の1000円札は現在も有効な通貨です。
しかし、実際の使用は難しくなっています。

多くの店舗や自動販売機が最新の紙幣にのみ対応しているためです。また、偽造防止の観点から、古い紙幣の受け取りを拒否するケースも増えています。

日本銀行の本店・支店で交換可能

流通しにくい聖徳太子の1000円札は、日本銀行の本店や支店で新しい1000円札と交換することができます。

この場合、現在発行されている銀行券と引き換えることになります。
交換に手数料はかかりません。

古銭買取店でも買取可能

聖徳太子の1000円札の中には、コレクターズアイテムとして価値があるものも存在します。

特に以下のような特徴を持つものは高い値段で取引される可能性があります。

  • 状態の良いもの(未使用に近い状態)
  • 珍しい番号のもの(ゾロ目や連番など)
  • エラーや印刷ミスのあるもの

もし、このような特徴を持つ1000円札を持っていたら、古銭買取店に相談してみるのも良いでしょう。

1000円札に描かれた聖徳太子の歴史

1000円札に描かれた聖徳太子の歴史

聖徳太子は、7世紀初頭の日本で、政治や外交、文化などの各分野で革新的な政策を推進しました。彼の功績は、現代の日本の基礎を形作ったと言っても過言ではありません。

1000円札という、多くの人々の日常生活に関わる紙幣に聖徳太子が採用されたことは、日本人が彼の功績を広く認識し、尊敬していたことの表れでもあります。

もし、あなたの手元に徳太子の1000円札聖があったら、もしかしたらレアな価値を持つものかもしれません。場合によっては、予想以上の価値がつくかもしれません。

古い紙幣や硬貨の価値に興味がある方は、ぜひアンティーリンクにお問い合わせください。専門家が丁寧に査定いたします。

参考記事:あああ