咸豊重宝 宝福局 当五十 「埼玉県のお客様から」

咸豊重宝(かんぽうちょうほう)当50は、中国の清朝時代、咸豊帝(1850年~1861年)の時代に作られた大きな銅銭です。「当50」というのは、この貨幣が通常の銅銭50枚分の価値を持つとされたことを意味します。
この銭は、中央に四角い穴のある円形をしており、表面には「咸豊重宝」の文字と「当五十(当50)」が刻まれています。裏面には、その貨幣が作られた場所を示す文字が入っていることが多いです。サイズは通常の銅銭よりもかなり大きく、直径約50mm前後で、主に銅製ですが、一部に鉄製のものもあります。
この貨幣が作られた背景には、清朝の財政難がありました。戦争や内乱(アヘン戦争・太平天国の乱)でお金が足りなくなり、政府は少ない銅で大きな価値の貨幣を作るという対策を取りました。そのため、「当10」「当50」「当100」といった大型銭が発行されましたが、実際には信用されず、すぐに使われなくなったといわれています。
現在、咸豊重宝当50は歴史的に貴重な古銭として、コレクターの間で人気があります。保存状態や種類によって、古銭市場やオークションで数千円から数十万円の値段で取引されることもあり、清朝の貨幣政策を知るうえで重要なコインのひとつとされています。