専門家が語る!BRICS、銀の価格とお金の未来

専門家が語る!BRICS、銀の価格とお金の未来

2024年11月5日、Money Metalsポッドキャストにて、マイク・マハリーさんが銀の専門家デビッド・モーガンさんと対談しました。彼は貴金属(特に金や銀)のアナリストで、「シルバーマニフェスト」という本を書き、「モーガンレポート」という貴金属の情報を提供しています。今回は、世界の経済やデジタル通貨(CBDC)について話し合っていました。

BRICSサミットって何?本当にすごいの?

まずモーガンさんは、BRICSサミット(ロシアのカザンで行われた国際会議)について話しました。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカという5つの国が協力して新しい経済ルールを作ろうとしているものです。でも、モーガンさんは「本当にすごいことができたわけではない」と感じているようです。例えば、ロシアのプーチン大統領が見せた新しい紙幣は、実際にはただの見本でした。このサミットでの話し合いは「本当に変化を起こすには、まだ足りない」とのことです。

プーチン大統領が持っていた新紙幣とは?

プーチン大統領がブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの国旗が描かれた紙幣を手にしている写真が公開され、多くの人々がBRICSが共同通貨を正式に導入したと誤解しました。しかし、当局はすぐにこの考えを否定しました。「プーチン大統領が持っている紙幣は、カザンサミットで熱狂的なファンから贈られたBRICS紙幣の模造品であり、正式に採用されたBRICS紙幣ではない」と当局はファイナンシャル・エクスプレス・オンラインに確認しました。この紙幣は、BRICS諸国の協力を象徴するために作られたものであり、実際の通貨としての価値はありません。

プーチン大統領が持っていた新紙幣

アメリカドルの力が減ってきている?

モーガンさんは、アメリカドルが世界で使われる割合が減ってきていることにも触れました。10年前は世界の貿易の約68%がドルで行われていたけど、今は58%に減っています。エネルギー(石油など)を取引する場面でも、ドル以外の通貨が使われるようになってきているのです。モーガンさんは、すぐにドルが使われなくなるわけではないけど、世界でいろいろな通貨が使われるようになっていくだろうと話しています。

デジタル通貨って何?なぜ怖いの?

デジタル通貨(CBDC)とは、政府や中央銀行が発行するデジタル版のお金のことです。モーガンさんは、デジタル通貨が広がると、プライバシーが失われたり、政府が私たちのお金を管理しやすくなることを心配しています。例えば、どんな買い物をしたかが全て記録され、政府が気に入らない行動をした人のお金を簡単に止められる可能性もあります。モーガンさんは、中国で行われているデジタル通貨と「社会信用システム」が、他の国にも広がるかもしれないと警戒しています。

銀と金の価格はどうなる?

次に、モーガンさんは銀と金の今後の価格について話しました。銀は、2025年には$40になる可能性があると言っています。(2024年11月6日現在は$32.50)また、金は$3,000になるかもしれません。モーガンさんは、特に中央銀行(国のお金を管理する機関)が金をたくさん持っているので、金の価格が上がりやすいと考えています。

金と銀の価値の違い

金と銀の価格には「金-銀比率」という関係があります。昔は金1に対して銀20の比率で取引されていましたが、今は80程度の比率です。これは銀が「お金」というより、工業品としての役割が強くなったためです。でもモーガンさんは、将来的には銀がまた「お金」としての役割を取り戻すかもしれないと考えています。

ロシアの銀の動き

最近、ロシアが国家の資産として「銀」を追加することを発表しました。これまで、ロシアは金(ゴールド)やプラチナ、パラジウムを主に国家資産として保有していましたが、新たに「銀」も加えることになったのです。このニュースは世界的にも大きな話題になっています。モーガンさんは、ロシアが銀を重要な資産と考えているのは、テクノロジーや軍事に役立つためだと言います。もちろん、国際的な銀行システム「SWIFT」からの制裁下において、海外との取引が難しくなっている中、金や銀など「貴金属」を資産として増やすことで経済を安定させようという狙いもあるでしょう。これが世界の銀市場にどんな影響を与えるのか、慎重に見守っているとのことです。

今後の注目ポイント

最後にモーガンさんは、次のアメリカ大統領選挙についても触れました。歴史的には、民主党が政権を取ると金や銀の価格が上がりやすいとされていますが、今回の選挙はそれだけでは決まらないと考えています。世界の動きやデジタル通貨の影響が、もっと大きな要因になるかもしれないからです。

モーガンさんは、「正直なお金(つまり信用できるお金)は自由と結びついている」と言い、デジタル通貨の増加に対して、個人がしっかりと備えることが大事だと伝えています。