

直径約・・・40㎜
厚さ・・・おおむね2.7mm~2.98mm
重量・・・31g
品位・・・銀(99.9%)
※1983~1985年製造のパンダ銀貨
直径約・・・40㎜
厚さ・・・おおむね2.7mm
重量・・・27g
品位・・・銀(90%)
直径約・・・40㎜
厚さ・・・おおむね2.7mm~2.98mm
重量・・・31g
品位・・・銀(99.9%)
※1983~1985年製造のパンダ銀貨
直径約・・・40㎜
厚さ・・・おおむね2.7mm
重量・・・27g
品位・・・銀(90%)
目次
パンダ銀貨は、中国造幣公司が1983年から発行している純度99.9%(初期は90%)の高純度銀貨です。
中国語では「熊猫銀幣(ション マオ イン ビー)」と呼ばれています。
特徴的なのは、表面に毎年デザインが変わるジャイアントパンダ、裏面に世界遺産・北京天壇(ぺきんてんだん)のレリーフが刻まれている点です。
毎年デザインが異なるため、貨幣コレクターだけでなく、パンダファンにも高い人気があります。
また、中国国内だけでなく、日本やアメリカ、ヨーロッパでの人気も高い銀貨となります。
ちなみに中国国内では貨幣として使用が可能ですが、銀の価値の方が高くなりますので貨幣として使用されることは基本的にありません。
パンダ銀貨は近年10元銀貨が主流ですが、過去には他の額面で発行された例も確認されています。
具体的には、
などの額面でパンダ銀貨が発行されたことがあります。
また、特定の記念行事等に特別に発行されるパンダ銀貨もあり、同じ10元のものでも大きさや重さが違うものも存在します。
他にも一部のパンダ銀貨には「Pマーク」があるものとないものがあります。
左中央あたりにあるPのマークがあるものとないものが存在する
この「P」は「プルーフ(Proof)」の略で、表面を鏡のように磨き上げ、模様を際立たせる特殊な加工が施されたコインを意味します。
実は、この貨幣には金で作られた「パンダ金貨」も存在します。
中国 パンダ金貨 1988年(1/4オンス)
パンダ銀貨より1年早い1982年から製造が始まり、現在も製造が続いています。
パンダ銀貨は非常に価値が高い銀貨のため、偽物も数多く流通しております。
偽物との見分け方にはいくつか方法があります。
一番簡単に見分ける方法は重さです。
10元パンダ銀貨の重さは以下のようになっております。
年代 | 重量 |
---|---|
1983~1985年 | 27.00g |
1987~1996年 | 31.10g |
1997年 | 31.10~31.22g |
1998年 | 31.06g |
1999年 | 31.05~31.10g |
2000年 | 31.10g |
基本的に、パンダ銀貨は約31gありますが、発行開始当初は銀の純度が90%と現在より低かったため、重さは約27gとなっていました。
偽物の場合、銀以外の安価な素材が含まれていることがあり、上記の重量と大きく異なることがあります。
その他の見分け方としては、レリーフが雑に作られているものや、磁石に反応するかどうかも参考になります(純銀の場合、磁石には反応しません)。
また、重さで判別可能となると書きましたが、パンダ銀貨には同じ10元銀貨であっても、重量が違うものがあります。
しかし、重量については1989年以降表面に記載されるようになりました。
その為、パンダ銀貨の重量を測る際は、まず表面を確認してみるのをおすすめします。
単位については、2016年以降のものはグラム(g)単位、それ以前のものはオンス(oz)単位となっています。
一般的な偽物は材質や作りの精度が違うため、重さを測ったり、本物と比較することで判別可能です。
しかし中にはスーパーコピーと呼ばれる非常に精巧な偽物も存在します。
スーパーコピーは、作りの精度が高いだけでなく、材質まで本物と同じ素材が使われていることが多いため、わずかな手触りの違いや微妙な違和感などから判断する必要があります。
たとえば、同じ場所に同じ傷がある銀貨が複数枚見つかった場合、それらは同じ型から作られたコピー品である可能性が高いと考えられます。
そのため、真贋の判定には、豊富な経験を持つプロの鑑定士でなければ見抜けないこともあります。
パンダ銀貨には、微妙にデザインが異なるバリエーションが存在します。
たとえば、1983年に発行されたパンダ銀貨には、子パンダの位置がわずかに異なるデザインが確認されています。
微妙にデザインが異なるため、「スーパーコピー(偽物)では?」と思われるかもしれませんが、実はどちらも正真正銘の本物です。
デザイン違いはその希少性によって価値が変わることもありますが、パンダ銀貨に関しては、現時点では明確な価格差は見られません。
パンダ銀貨は銀の純度が非常に高いため、銀相場の影響を受けて価格が決まってきます。
ただし、発行年によって製造枚数が異なるため、一部のパンダ銀貨は希少性が非常に高く、プレミア価格がつくこともあります。
具体的に価値が高くなる発行年は以下の通りです。
価値の高い発行年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 |
---|---|---|---|
製造枚数 | 10,000枚 | 10,000枚 | 10,000枚 |
重量 | 27g | 27g | 27g |
一般的なパンダ銀貨の買取相場は数千円~1万円程度ですが、上記の年代のものは状態が良ければ10万円以上の価値がつくことが多く、特に発行初年度の1983年のパンダ銀貨は希少価値が高く20万円以上の高値で取引されることがあります。
一見、製造枚数が1万枚と聞くと多いように感じるかもしれません。
しかし、近年ではパンダ銀貨が1,000万枚以上発行されている年もあるため、当時の1万枚という製造数がいかに希少であるかがよくわかります。
また、パンダ銀貨の重量は通常約31gですが、上記のものは銀の純度が約90%となっており、そのため約4gほど軽い27gとなっています。
他にも価値が高い物でいうと、例えば1991年に発売された2オンスの10元パンダ銀貨はオークションサイトで3万円以上で取引されています。
1995年に発売された100元や50元のパンダ銀貨などはオークションサイトで20万円以上の取引になったこともあります。
上記の発行年のパンダ銀貨の価格は年々上昇傾向にあります。
過去10年のオークションサイトでの1983年制のパンダ銀貨の価格をグラフにすると、以下のようになります。
10年前と比較すると、価格はおよそ2倍にまで上昇しています。
では、なぜこれほどまでにパンダ銀貨の価格が高騰しているのでしょうか。
一説によると、中国国内でのWeChat(微信)などのSNSの普及や、テレビ番組などの影響によって、古銭やアンティーク品への関心が高まったことが背景にあるとされています。
価値のある古銭に対して知識や興味を持つ人が増えたことで、希少性の高いパンダ銀貨を求める人も増加し、それに伴って価格も上昇しているのです。
上でも書いたように、一部のパンダ銀貨は非常に価値が高く、ここ数年で一気に価格が上昇しました。
その為、今後も価格が上昇すると見越して保管しておくのも一つの手ではあります。
しかし実際には価格が下がるという可能性もあります。
例えば世界的に不況に陥った場合などは、人々は生活必需品への支出を優先するため、売り手が増えることで価値が下がることがあります。
2008年に発生したリーマンショックでは、多くの骨董品や美術品の市場が打撃を受け、価格が下落しました。
※その後景気が回復するとともに、再び価格が上昇に転じたものも多くあります。
また、現在は中国国内での人気が非常に高まっている影響で、パンダ銀貨の価格も上昇しています。
しかし、人気が落ち着けば、価格が下がる可能性もあります。
特に、売却のタイミングは他の人と重なりやすいため、いざ売ろうとしたときには、すでに価格が大きく下落していることも考えられます。
そのため、今後の価値下落を懸念している方や、自宅での保管に不安を感じる方にとっては、現在のように価格が高騰しているうちに売却を検討するのも一つの選択肢と言えるでしょう。
現在お持ちのパンダ銀貨を売却したい場合、ひとつの方法として、ヤフオクやメルカリなどのフリマアプリを利用する手があります。
自分で価格を設定して出品できるため、タイミングや運が良ければ、相場より高く売れる可能性もあります。
ただし、フリマアプリでは、商品の梱包や発送、購入者とのやり取りなど、一定の手間がかかる点にも注意が必要です。
また、多くのフリマアプリでは販売手数料が発生します。たとえばメルカリでは販売価格の10%が手数料として差し引かれるため、高額な商品ほど負担も大きくなります。
もう一つの方法として、プロの古銭買取業者に売却する方法があります。この場合、梱包や発送の手間はかからず、購入者とのトラブルも避けられます。また、フリマサイトには手数料がかかることが多いですが、買取業者の場合は手数料がかからない点もメリットです。
しかし、上でも述べたように、こうした銀貨や古銭の買取には、豊富な知識が求められます。
実際に発行されている多くのパンダ銀貨は銀相場を基準に売買されます。
そのため、本来は高い価値を持つ1983年製のパンダ銀貨であっても、銀の地金価格のみで買い取られてしまうことがあるのです。
このような事態を防ぐためにも、買取業者に売却する際は相見積もりを取ることをおすすめします。
また、査定の際には「1983年のパンダ銀貨は価値が高いと聞いて持ってきました」などと、一言伝えるだけでも査定額が変わる可能性があります。
直近の弊社でのパンダ銀貨の買取価格は以下のようになっています。
買取日 | 買取価格 | |
---|---|---|
1983年製造パンダ銀貨 | 2025年2月 | 370,000円 |
1985年製造パンダ銀貨 | 2024年8月 | 180,000円 |
1984年製造パンダ銀貨 | 2025年5月 | 150,000円 |
価格については状態や時期によっても変わってきますが、状態が良ければ業界でも高値で買取が可能となっております。
アンティーリンクでは、直接買取のほか、郵送での買取やLINEで画像を送って査定することもできますので、パンダ銀貨の売却をお考えの方はぜひご相談ください。
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