【2025年11月最新】金相場の今後を過去10年のチャートから予想

「金の価格が2万円を超え、連日ニュースになっているけど、今後どうなるんだろう?」
「金(ゴールド)を売りたいけれど、一番高いタイミングはいつ? もしかして今が売り時?」
歴史的な高値を更新し続ける金相場を前に、このような悩みをお持ちではありませんか?
この記事では、古銭の鑑定士でもあるプロの視点から、金相場の「今」と「これから」を徹底解説します。
- 古銭鑑定士
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2012年、古銭買取専門店「アンティーリンク」を創業し、古銭の買取・販売を始める。
2022年、日本唯一の古銭鑑定機関「貨幣商協同組合」に加盟
現在は古銭鑑定士として、テレビ等メディア出演多数
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目次
過去の推移から見る金相場 今後の見通し

まず、結論から申し上げますと、短期的に見ると落ち着く、もしくは下落する可能性があると思われます。
金価格は下がることは少ないと言われていますが、なぜ下落する可能性があるのでしょうか?
主な理由は紛争や国際的な緊張が緩和されることで、「安全資産」としての金の需要が減少することで、下落するのではと言われています。
他にも金利の上昇や、インフレ率が落ち着くことでも、金相場の下落につながる可能性があります。
グラフで見る過去10年(2015〜2024年)の金価格推移
短期的に見ると下落する可能性がありますが、長期的に見るとどうでしょうか?
まずは過去10年の金価格のグラフを見てみましょう。

※田中貴金属工業様の平均小売価格を参考にグラフにしています。
ご覧の通り、金の価格はここ10年で大きく上昇しています。
2015年~2018年にかけて一時的に下がっている年もありますが、長期的に見ると価格は高騰しているのが分かります。
また、過去20年のグラフを見ても、金は上昇している事がわかります。

長期的に見れば必ず上がるという保証があるわけではありませんが、過去のデータからみると長期的には上昇する確率が高いと言えるでしょう。
なぜ今「金」は高騰している?(2025年11月現在)

金価格は長期的に上昇傾向にありますが、特にここ数年の高騰は凄まじいものがあります。
しかし、どうしてこんなに上がっているのでしょうか?
その理由は、単一のものではなく、複数の要因が複雑に絡み合った結果です。
2025年11月現在、国内の金価格を押し上げている主な3つの要因を、分かりやすく解説します。
世界の不安が高まると「安全な金」が選ばれる
ひとつめの要因は金を安全な資産と考えている人が多いためです。
金は昔から、国や経済が不安定になったときに頼れる「究極の安全資産」と見なされてきました。
例えば米中対立、ロシア・ウクライナ問題、中東や台湾情勢などにより、国際的な緊張が高まると株式や通貨が不安定になります。
この不安から、世界中の投資家や富裕層が、価値がゼロにならない金に資金を集中させています。
お金の価値が下がる心配と金融政策の影響
2つめの要因は世界各国で進む金融の動きが、相対的に金の魅力を高めているためです。
- インフレ(物価高)への対抗策: 現在世界的に物価が上がり、お金(現金)の価値が目減りしています。「お金の価値が下がっても、物の価値は残る」という理由から、「インフレに強い実物資産」である金を買って、財産を守ろうとする動きが加速しています。
- 低金利の継続: 各国で金利が低い状態が続くと、銀行にお金を預けても利息があまりつきません。金も利息を生むわけではありませんが、「銀行に預けておくより良い」と考える投資家が増え、金への資金流入が促されています。
- 為替の影響: 円安やドル安のように、自国通貨の価値が下がると、その国の通貨で見た金価格は自動的に高くなります。
採掘が難しくなり、買う人が増えている
3つ目の要因は需要と供給のバランスが崩れ、金自体の希少価値が高まっているためです。
- 中央銀行の大量購入: 世界各国の中央銀行(日本銀行のような機関)が、米ドルなど特定の外貨に依存するリスクを減らすため、歴史的なスピードで金を買い集めています。これは金の需要を大きく押し上げています。
- 供給の限界(希少性): 地球上から採掘できる金の量には限りがあり、新しい金鉱山の発見や開発が非常に難しくなっております。採掘量の減少も、価格上昇の大きな要因です。
- テクノロジー需要: スマートフォンや電気自動車など、高度な電子機器やエネルギー分野での金の需要も長期的に安定して伸びています。
これらの要因が重なり、「不安の時代に、価値が減りにくい金を確保したい」という心理が働き、前例のない金価格の上昇を生み出しているのです。
今後の金相場を動かす5つの要因
長期的には上昇する可能性が高い金ですが、なんとなく上がると理解するよりも、上がる要因について知っておくと金相場を予測しやすくなります
ここでは今後の金の上昇に関係する要因を5つ解説していきます。
① アメリカの金利(利息)
最も注目すべきは「アメリカの金利(利息)」です。 なぜなら、アメリカの金利と金価格は、シーソーのような反対の動きをしやすいからです。

- 理由:金は「利息」を生まないからもし銀行預金の金利(利息)が高くなったら、利息を生まない「金」を持っているより、利息がもらえる「ドル預金」の方が魅力的に感じる方が増えます。 そのため、金利が上がると金は売られ(価格下落)、金利が下がると金は買われる(価格上昇)傾向があります。
- 今後の見通し現在は、アメリカが高い金利を「いつ下げるか」が注目されています。もし今後「利下げ」が現実になれば、金価格にとって強い追い風(上昇要因)となります。
② 為替相場(円安・円高)
これは日本国内の金価格にとって、今最も影響の大きい要因です。 結論から言えば、「円安」になるほど日本の金価格は上がります。

ドル円の推移
- 理由:日本の金価格は「ドル建て価格 × 為替レート」で決まるから海外での金価格(例:2,000ドル)が変わらなくても、為替レートが「1ドル100円」から「1ドル150円」へと円安になるだけで、日本での価格は「20万円」から「30万円」に自動的に上がってしまいます。
- 今後の見通し現在は歴史的な円安が価格を押し上げていますが、もし今後、アメリカが金利を下げ、日本が金利を上げる(マイナス金利解除)などして「円高」に進めば、日本の金価格を下げる大きな要因になります。
③ インフレ(物価上昇)
インフレ(モノの値段が上がること)も、金価格に影響を与えます。インフレが進むと、金価格は上がりやすくなります。
- 理由:金は「お金の価値が下がる」ことへの保険だからインフレとは、裏を返せば「お金の価値が下がっている」状態です。 人々は、価値が目減りする「お金」で資産を持つことを避け、価値が変わらない「実物資産」である金を求めるようになります。これを「インフレヘッジ(資産防衛)」と呼びます。
④ 地政学リスク(トランプ氏の関税問題や紛争)
金は昔から「有事の金(ゆうじのきん)」と呼ばれます。
戦争や紛争だけでなく、トランプ氏の関税政策に代表されるような「貿易摩擦(貿易戦争)」も、金価格を上昇させる傾向があります。
- 理由:金は「究極の安全資産」だから
有事の際や、関税の応酬などで経済の先行きが不透明になると、特定の国のお金(通貨)や株式は信用リスクが懸念されます。
一方、金(ゴールド)は国や企業の信用に左右されない「実物資産」です。そのため、世界的な「避難先」として金が買われるのです。
⑤ 金の需要と供給(欲しい人と量のバランス)
最後は、モノの値段の基本である「需要と供給」です。 単純に、金を「欲しい」と思う人が増えれば、価格は上がります。
- 主な買い手(需要)金の買い手は、個人投資家だけではありません。 特に「中国やインド」の人々による宝飾品や投資用の需要、さらに「世界各国の中央銀行(国のお金)」が、準備資産として米ドルのかわりに金を購入する動きが活発です。
- 今後の見通しこれらの「大口の買い手」による需要が続く限り、金価格は下支えされやすいと言えます。
承知いたしました。 ここまでの解説を踏まえ、読者の皆様が最も知りたいであろう「で、結局どうすればいいの?」という疑問にお答えします。
これは、金相場を長年見てきた鑑定士としての私見も含みますが、一つの判断基準として参考にしてください。
金は売るべき?保有すべき?

ここまで金相場について、過去や現在、未来の予測を含めて解説してきました。
金相場については短期的に見れば停滞、または下落する可能性がありますが、長期的には上がる可能性が高くなっています。
では今、金は売らないで持っておくべきでしょうか?
恐らく多くの人が気になるポイントだと思います。
ここでは持っておくメリットや、売却するメリットについて解説していきます。
今、金を「売却」するメリット
歴史的な高値圏である今、売却して利益を確定させるのは非常に賢明な判断の一つです。
以下のような方には、売却をおすすめします。
- すでに十分な利益が出ている人(利益確定)投資の世界には「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。最高値の天井(頭)で売ろうと欲張らず、十分な利益が出ている「胴体」の部分で確実に利益を確定させる、という考え方です。特に投資目的で保有していた方は、売却の好機と言えます。
- 「円高」による価格下落を避けたい人解説した通り、今の高値は「円安」に大きく支えられています。
もし今後、アメリカの利下げや日本(日銀)の政策変更で「円高」に振れた場合、国際価格(ドル建て)が上がっても、円建ての価格は下落するリスクがあります(つまり日本円で取引する金の価格が下がります)。このリスクを避けたい方は、円安の恩恵を受けている今が売り時かもしれません。 - 相続などで金を譲り受け、現金化したい人遺品整理や相続で金(金貨やインゴット、宝飾品)が見つかったものの、ご自身で保有し続けるつもりがない場合、価値が明確で、かつ高値がついている今は、適正な価格で現金化する絶好のタイミングです。
金を「保有」するメリット
もちろん、今後も保有し続けることにもメリットはあります。
以下のような方には、保有をおすすめします。
- 長期的な「資産防衛」を目的としている人:今後も続くであろうインフレ(物価上昇)への「保険(ヘッジ)」として、金を保有しておくのも賢明な判断です。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、5年、10年スパンで資産を守ることが目的なら、急いで売る必要はありません。 - 今後も「地政学リスク」や「通貨不安」が続くと考える人:世界情勢がさらに不安定になる(有事)と予想する場合、「安全資産」としての金の価値はさらに高まる可能性があります。
その上昇に期待する方は、保有し続ける選択肢があります。
【注意点】金を保有し続けるリスクとは?
一方で、金を「保有し続ける」ことには、メリットだけでなく、デメリットやリスクも存在することを理解しておかなくてはなりません。
- 価格変動(下落)のリスク当然ですが、価格が上がり続ける保証はありません。先ほど解説した5つの要因が逆(例:急激な円高、米金利の急上昇、地政学リスクの解消など)に働けば、価格が下落する可能性も十分にあります。
- 盗難・紛失のリスク金は「実物資産」です。
ご自宅で保管する場合、盗難や火災、紛失のリスクが常につきまといます。家に高額な実物資産があることで常に不安に感じてしまう人もいると思います。そういった方は早めに現金化してしまう方が安心感を得られます - 保管コスト(貸金庫など)盗難リスクを避けるために銀行の貸金庫などを利用する場合、当然ですが年間数万円の保管コストがかかり続けます。
金自体は利息を生まないため、コストだけがかさんでいく可能性もあります。
金相場に関するよくある質問(FAQ)
最後に金相場に関して、よくあるご質問にお答えします。
Q1. 金価格が1グラム3万円になる可能性はありますか?
A1.2023年8月に金1グラムが1万円の大台を超えた際も「まさか」と言われていましたが、現在では2万円を超えています。
そのため、将来的に3万円を超える可能性は大いにありますが、「〇年以内に超える」という予測は難しいです。
Q2. 2026年の金価格はいくらになる予想ですか?
A2. 金の価格はいろいろな要因が複合的に絡み合って決まってくるため、一概に「2026年は〇〇円になります」と断言することはできません。
ただし、ゴールドマンサックスでは2026年12月に1オンスあたり4900ドルになるとの予想をしている事が、ロイター通信の記事で取り上げられていました。
2025年11月現在の金の価格をざっくり2万円とすると、約3,000円程価値が高くなる計算となります。
まとめ:今後の金相場を注視し、長期的な視点で資産を守ろう
今回は、金相場の過去から未来の見通しまで、解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- 長期トレンドは「上昇」:過去10年のチャートが示す通り、金価格は短期的には上下しつつも、長期的には著しく上昇しています。
- 現在の高騰要因:現在の歴史的な高値は、主に「円安」、世界的な「インフレ(物価上昇)」、そして「地政学リスク」によって高騰しています。
- 未来を決める5つの鍵:今後は「アメリカの金利」「為替(円安・円高)」「インフレ動向」「地政学リスク」「金の需給バランス」の5つが価格を左右します。
- 行動指針:「売るか、持つか」は個人の目的次第です。周りの意見より、ご自身がどうしたいかで選ぶようにしましょう。
金の理想的な付き合い方とは、日々の価格変動に一喜一憂することなく、ご自身の資産全体(ポートフォリオ)の中で、なぜ金を保有するのか(または、なぜ売却するのか)の目的を明確に持つことです。
金の売却で不安な事がございましたらご相談ください
もしお手持ちの金を売却したいと考えた時、不安な事がございましたら弊社のライン査定からご相談ください。
例えば「この金貨って今いくらになるの?」といった査定だけのご利用や、「汚れや傷があるけど、価値は下がりますか?」といった相談だけでも問題ございません。
無料でご利用できますので、わからないことや、相見積もりしたい時など、お気軽にご利用ください。
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