メルカリやヤフオクで記念硬貨が出品禁止になる理由とは?

メルカリやヤフオクで記念硬貨が出品禁止になる理由とは?

メルカリやヤフオクといった大手フリマ・オークションサイトでは、記念硬貨や一部の古銭の出品が禁止されていますが、なぜこれらの取引が制限されているのでしょうか?

この記事では、記念硬貨の出品禁止の背景や規制の理由、そしてどのような記念コインが具体的に禁止対象になっているのかを詳しく解説します。さらに、規制を守らずに記念硬貨が出品されている現状や、古銭全般にも影響が及ぶのかについても深掘りしていきます。記念硬貨の取引を検討している方、購入予定の方は必見です!

メルカリで記念硬貨が出品禁止な理由

メルカリで記念硬貨が出品禁止な理由

メルカリで記念硬貨が出品禁止になっている理由は、いくつかのポイントがあります。

まず、記念硬貨は普通のお金と同じように価値があるものとして扱われるので、現金や商品券と同じようにメルカリでは出品が禁止されています。これは、記念硬貨が不正に使われたり、現金に近い形で取引されるのを防ぐためです。

マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるから

たとえば、メルカリの利用規約では、親族や友人同士での取引が禁止されています。

このルールに違反すると、アカウントが即座に停止され、永久に利用できなくなるだけでなく、場合によっては警察に通報されることもあります。なぜこのルールが必要なのかを、マネーロンダリングの一例を通して説明します。

マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用される記念硬貨

マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用される記念硬貨

例えば、Aさんが犯罪によって得た1000万円を持っているとしましょう。このお金はそのまま使うとバレてしまうので、Aさんはフリマサイト等を使って資金洗浄(マネーロンダリング)を試みます。具体的には、Aさんが500万円で“架空の記念硬貨”を出品し、それを親族に購入させます。この際、親族には事前に購入費用として500万円を渡します。こうして取引が完了すれば、Aさんは売上金として合法的に見える450万円(手数料10%を引いた額)を手に入れたことになります。商品の実態がなくても、購入者が家族なので問題は表面化しにくいのです。この手法を繰り返すことで、犯罪で得たお金を次々と洗浄することが可能になります。

こうした行為を防ぐため、メルカリは親族や友人間の取引を厳しく制限しています。また、マネーロンダリング行為は取引の流れに不自然な点があるため発覚することも多いようです。

例えば、発送通知後すぐに受取評価が行われる場合や、同一アカウント間で高額商品の売買を何度も繰り返す場合などです。こうした異常な取引パターンは、監視システムや運営によって検出されやすくなっているそうです。

一般の利用者が意図せずマネーロンダリングに関わる可能性は低いでしょう。万が一あるとすれば、マネーロンダリングに使われる商品を誤って購入してしまうケースです。この場合は詐欺の被害者になる可能性があるので、高額商品の取引には十分注意することが大切です。

クレジットカードの現金化を防ぐため

クレジットカードのキャッシング枠を限度額まで使い切ってしまった、他の借入手段が使えない、通常の借入方法よりも早く現金を手に入れたいなどの理由から、クレジットカードを利用した現金化を試みる方がいます。

クレジットカードの現金化を防ぐためメルカリでは記念硬貨が出品禁止

しかし、クレジットカードの現金化はマネーロンダリングや詐欺などの犯罪に悪用される可能性があるため、クレカ会社含めメルカリもこれを防止するために、さまざまな規約を作っているのです。

メルカリを利用したクレジットカードの現金化方法とその仕組みとしては、下記3つのパターンがあるようです。

1. 自演購入による方法

この方法では、2つのメルカリアカウントを使い、実際の商品の取引を装って現金化を行うようです。

  1. アカウントAで架空の商品を出品します。
  2. アカウントBでその商品をクレジットカードで購入します。
  3. 実際には商品の受け渡しは行わず、取引を完了させます。
  4. 最終的に、アカウントAでメルカリの売上金を現金として振り込み申請し、現金を手に入れます。

2. 商品購入・再販売方式

この方法では、クレジットカードで実物の商品を購入し、それを再び売却することで現金化するようです。

  1. クレジットカードを使い、高換金率の商品(ブランド品、スマートフォン、ゲーム機など)を購入します。
  2. 購入した商品をメルカリで再出品し、購入者に売却します。
  3. 売却による売上金を振り込み申請して現金を得ます。

3. 店舗売却方式

この方法は、メルカリで購入した商品を直接買取専門店に売却して現金化するというものです。

  1. メルカリでクレジットカードを使って商品を購入します。
  2. 購入した商品を実際に受け取り、買取店などで現金化します。

以上の方法は、クレジットカードの不正利用や規約違反にあたる行為であり、発覚した場合にはアカウント停止や法的措置が取られる可能性があります。また、メルカリのAIや監視システムは不自然な取引パターンを検知する仕組みを持っており、自演購入や不正取引を見つけることが可能ということで、利用者はこうした行為に関わらないよう注意が必要です。

参考:額面以上の価値がある記念硬貨一覧!

ヤフオクでは記念硬貨は出品禁止されていない!

メルカリでは記念硬貨の出品が禁止されているのに、ヤフオクでは禁止されていない理由はなぜなのでしょうか。

ヤフオクでは記念硬貨は出品禁止されていない!

メルカリとヤフオクでは、記念硬貨の出品について異なるルールが設けられており、それぞれの方針の背景には、リスク管理や利用者のニーズへの対応の違いが反映されていると言えるでしょう。

まず、メルカリでは、記念硬貨を含むすべての貨幣の出品が禁止されています。これは、記念硬貨が金銭として扱われることから、不正利用のリスクを回避するための措置です。具体的には、マネーロンダリングやクレジットカード現金化などの問題につながる可能性があるため、厳格な規制を敷いています。以前は希少価値のある貨幣の出品が認められていましたが、想定外の問題が発生したことから、全面的に禁止に切り替わりました。

一方、ヤフオクでは記念硬貨の出品が認められています。ヤフオクは記念硬貨を「コレクターズアイテム」として評価しており、収集目的での需要に応えるため出品を許可しています。また、全ての貨幣を禁止することはプラットフォームの運営上難しいとの判断から、コレクター向けの商品として柔軟に対応しています。

 

このような違いは、両プラットフォームの運営方針によるものと言えます。

メルカリは不正利用やリスクを避けるためにより厳格な規制を採用しており、安全性を優先しています。

一方で、ヤフオクはコレクター市場のニーズに応える形で対応しており、柔軟性を重視しています。

このように、それぞれの方針は、利用者層やプラットフォームの特色に基づいて決められていると言えます。

参考:500円玉の記念硬貨に価値はある? 種類はどれぐらい?

出品禁止の記念硬貨がメルカリで出品されている理由

メルカリでは、現金の出品が原則禁止されていますが、プルーフ硬貨については例外的に出品が許可されています。そのため、一部の出品者は通常の記念硬貨を「プルーフ硬貨」として出品することで、メルカリの出品停止ルールを回避しようとしているようです。

昭和62年の御在位60年10万円金貨のプルーフ加工版

(写真左)昭和62年の御在位60年10万円金貨のプルーフ加工版

プルーフ硬貨とは、収集用に特別な技術を使って製造された硬貨のことで、通常の硬貨とは異なる特徴を持っています。

具体的には、表面が鏡のように磨かれており、模様が二回打ちされて鮮明で深みがあります。また、これらの硬貨は造幣局が限定的に販売する特別なものです。

メルカリでは、実際にはプルーフ硬貨ではない通常の記念硬貨が「プルーフ」と表記されるケースが増えています。これはメルカリのAIによる出品停止を避けるための手段として行われていますが、購入者との間でトラブルを引き起こす可能性があります。誤った表記が原因で、商品が期待と異なるという苦情につながることも考えられます。

こうした行為は、メルカリの規約違反に該当する可能性があり、場合によってはペナルティが科されることもあります。購入者は、記載された内容が本物であるかどうか慎重に確認し、疑わしい出品には注意を払う必要があります。特に、プルーフ硬貨を名乗る商品については、その特徴が記述や写真で確認できるものを選ぶのが重要です。このような出品が増えている背景には、メルカリの規制を回避しようとする出品者の意図があるため、利用者は十分な注意を払うべきです。

プルーフ記念硬貨は例外的に出品が認められている⁉

メルカリでは、原則として現金の出品を禁止していますが、プルーフ硬貨については例外的に出品が認められています。

プルーフ硬貨は、コレクターズアイテムとしての価値が高いことが挙げられます。これらの硬貨は観賞用や贈答品として製造され、通常の貨幣とは異なり、額面以上の価値を持つことが多いです。また、流通を目的とした硬貨ではないため、日常的な取引で使用されることはほとんどありません。このような特徴から、一般的な現金としての扱いを受けないことが、許可される一因となっているようです。

参考:プルーフ硬貨とは?

メルカリで出品が禁止されている記念硬貨は?

メルカリでは記念硬貨全般の出品が禁止されています。では、お手元のコインが記念硬貨かどうかを調べるにはどうしたらいいのでしょうか。

最も簡単な方法としては、コインに書かれている内容をGoogleやYahooなどの検索ボックスに入力して検索することで、簡単に記念硬貨かどうかチェックすることができます。

たとえば、下のような1964年開催の東京五輪の記念銀貨を例にしていきます。

コイン表面には、「1964 TOKYO」「昭和 39年」などの文字がありますので、こうした文言で検索をかけてみましょう。

「1964 TOKYO 昭和39年」と検索をかけると、検索結果に“記念硬貨”や“記念銀貨”などの文言が確認できますので、このコインは記念硬貨であることが推察できます。

参考:1000円の記念硬貨の価値は?

メルカリは、古銭も出品禁止?

記念硬貨はメルカリで出品禁止であるということを説明してきましたが、一見古そうな“古銭(昔のお金)”も出品ができないケースもあるようです。

そもそも前提として、これまで説明してきた理由から“現在でも使用できる貨幣”の出品がメルカリでは禁止されています。

現在でもお財布に入っているような1000円札や5000円札、500円玉などの出品はできないということですね。

では、下のような聖徳太子のお札が手元にあったらどうでしょう?

なんだか価値が付きそうで、メルカリに出品したいと思ってしまいそうですね。

しかし、この聖徳太子の旧1万円札は、実は現在でも有効な紙幣なので、メルカリでの出品は制限されるはずです。

参考:今でも使える旧札の種類と買取価格

記念硬貨は価値がない?おすすめの処分方法について

記念硬貨は発行枚数が多く、比較的最近作られたということもあり、現存枚数も非常に多いので、額面以上の価値が付くものは限られています。

弊社としても、500円記念硬貨など個別に値段の付かないものについては、銀行での交換(両替)をおすすめさせていただいておりますが、中には額面以上の価値が付くものも一緒に銀行で交換してしまって、損をしてしまっているというお話もよく耳にします。

ぜひ一度、銀行へお持ち込みする前に、弊社にご相談いただけますと幸いです。