懐かしの紙幣 旧一万円札福沢諭吉の価値は?今、注目を集める理由や高額落札の例も紹介

懐かしの紙幣 旧一万円札福沢諭吉の価値は?今、注目を集める理由や高額落札の例も紹介
2024年7月から新紙幣が発行されましたが、まだまだ旧紙幣を目にする機会の方が多いのではないでしょうか。福沢諭吉の肖像が描かれた一万円札などの旧紙幣はもう新規発行されないため、世の中に流通しているものしかありません。
旧紙幣は昨今のコレクターの増加、歴史への関心の高まりなど、様々な要因によりこれから希少価値が高まっていくでしょう。中には非常に高値で取り引きされる「超レアな福沢諭吉の一万円札」もあるため、この記事ではその判別方法についても解説します。

福沢諭吉の旧一万円札の魅力とは

福沢諭吉の旧一万円札の魅力とは

福沢諭吉の肖像が描かれた旧一万円札は、新紙幣が発行された現代においても私たちに馴染み深い一万円札です。

明治の蘭学者・思想家として慶應義塾大学を設立したことでも有名な福沢諭吉。
著書の一つである「学問のすゝめ」は、明治時代の日本の近代化に大きな影響を与えたとも言われています。

細部にわたって様々な意味が込められている、福沢諭吉の旧一万円札の魅力をご紹介します。

デザインの美しさ

多くの国民に愛される紙幣となるよう、福沢諭吉が描かれた旧一万円札は随所に「品格」と「美しさ」が感じられます。

表面は、国内だけでなく海外の知名度も高い文化人である福沢諭吉を採用。
その肖像画は、慶應義塾福澤研究センター所蔵の写真が使われています。

裏面に描かれているのは、めでたいことが起こる前兆とされる鳥である「鳳凰」です。
国宝でもある平等院鳳凰堂に据えられている「鳳凰像」がモチーフとなっています。

福沢諭吉が描かれた旧一万円札は、他の紙幣と比べ美しさが際立つデザインといえるでしょう。

歴史的資料としての価値

福沢諭吉が紙幣の肖像として初めて採用された1984年(昭和59年)は、1986年から始まる空前のバブル景気を間近に控えた年であり、主に海外への輸出産業が経済成長を支えていた時代でもあります。

1984年に財務省が紙幣図柄の変更を検討する際、「最高券面額である一万円札にふさわしい品格があり、一般的にも国際的にも知名度の高い明治以降の文化人」という理由から、福沢諭吉を選びました。

日本人だけでなく、海外の人も目にすることの多い一万円札。
これから新規発行されない紙幣となっても、その歴史的資料としての価値は失われません。

コレクターとしての価値

福沢諭吉が描かれた旧一万円札はこれから新しく発行されることがないため、いま世の中に出回っているお札しか残っていないともいえます。

今後、福沢諭吉の旧一万円札の数が減っていくのはもちろんですが、元々希少性が高かったお札はさらに少なくなるため、状態の良い希少な旧一万円札の価値が跳ね上がるのは間違いないでしょう。

希少価値の高い紙幣を集めているコレクターの方は大勢いらっしゃいますので、今後は福沢諭吉の旧一万円もコレクションの対象になっていくと考えられます。

福沢諭吉の旧一万円札は2種類

福沢諭吉の旧一万円札は2種類

※出典:E一万円券 | 国立印刷局

福沢諭吉が描かれた旧一万円札は2種類あるのをご存知でしょうか。
それぞれ昭和59年と平成16年に発行されており、デザインや偽造防止の技術が異なります。

2種類の旧一万円札の特徴を紹介しますので、手元に福沢諭吉の旧一万円札があればどちらの年代に発行されたものなのか調べてみてください。

昭和59年(1984年)に発行「D一万円券」

福沢諭吉の肖像が描かれた最初の旧一万円札は、昭和59年(1984年)から平成19年(2007年)まで発行されていました。

最も分かりやすい違いとしては、裏面に日本の国鳥である「キジ」が描かれている点です。
表面の記番号(アルファベットと数字)についても、発行開始(昭和59年)時点では「黒色」で印刷されていますが、平成5年(1993年)12月発行分からは「褐色」に色が変更されています。

後に発行された同じ福沢諭吉の一万円札と区別するため、こちらの旧一万円札は「D一万円券」という名称です。

平成16年(2004年)11月に発行「E一万円券」

平成16年から発行開始されたもう一方の福沢諭吉の旧一万円札は、表面に偽造防止のホログラムが追加されているのが最大の特徴です。

角度を変えるとホログラムの色や模様が変化して見えるため、偽造されにくくなっています。
その他にも「すかし」や「潜像模様」、「特殊発光インキ」など、見た目だけでは分からない高度な偽造防止技術がたくさん盛り込まれているのが特徴です。

旧タイプである「D一万円券」に対し、こちらは「E一万円券」といった名称になっています。

福沢諭吉の旧一万円札は使えなくなる?

福沢諭吉の旧一万円札は使えなくなる?

2024年7月からは渋沢栄一が描かれた新一万円札が発行開始されましたが、これまでの福沢諭吉の旧一万円札は使えなくなってしまうのでしょうか。

結論から言えば、福沢諭吉が描かれた旧一万円札はこれまでどおり使えます。
旧紙幣だからといって額面が下がったりはしないので、一万円は一万円の価値のまま使えるのです。

紙幣は法律で無制限の強制通用力があると定められているため、法律上の特別な措置がとられない限りはこの通用力を失わず、そのままの価値で使うことができます。

極端な話ですが、お店側がOKするのであれば明治時代に発行された「旧壱円券」なども使えるのです。お店で使えない場合は、日本銀行で両替してもらう、もしくは古銭買取業者へ鑑定してもらうのがおすすめです。

福沢諭吉の旧一万円札にプレミア価格が?

福沢諭吉の旧一万円札にプレミア価格が?

買い物するときに福沢諭吉の旧一万円札を出しても、当然ながら一万円としての価値しかありません。
しかし、ごくまれに一万円以上のプレミア価格がつく希少な旧一万円札が見つかることがあります。

ここでは、そんなプレミア価格がつくかもしれないレアな旧一万円札の特徴を見ていきましょう。

特徴 詳細
記番号が若い =最初期に発行されたもの
記番号がキリ番やゾロ目 100000や999999
記番号が階段 並びが階段(1,2,3,4,5,6)や逆階段(6,5,4,3,2,1)になっている
記番号「A~A」 記番号のアルファベットが「A」から始まって「A」で終わる
記番号「ZZ~Z」 記番号のアルファベットが「ZZ」から始まって「Z」で終わるトリプルゼット
印刷ミスのあるもの

上記の条件に当てはまる場合でも、同じゾロ目でも「1111111」や「8888888」の方が高値になりやすかったり、保管状態によって買取価格が変動する点に注意してください。

「もしかしたらこれってレアな一万円札?」と少しでも感じたのであれば、ぜひ弊社にお持ち込み頂き鑑定させてください。