フランス金貨の代表格!ナポレオン金貨ってどんな金貨?
ナポレオンと聞くと、思い浮かぶのは無敵の英雄像。アンティークコインの世界で有名なナポレオンの金貨も、白馬を御すナポレオンがデザインされていると思われるかもしれません。
日本における「ナポレオン金貨」は、実はナポレオン1世として知られている皇帝はないことが大半。ナポレオンの金貨は、もう一人のナポレオンの肖像が描かれているコインを指します。実はこのナポレオン、日本とも深い関係がありました。
フランス帝政の栄光を伝えるナポレオン金貨とは、どんなコインなのでしょうか。
目次
フランスのナポレオン金貨とは?
一般的にナポレオン金貨とは、ナポレオン3世の肖像画がデザインされたコインを指します。1852年から1870年までに発行された20フラン金貨を中心に、5フラン、10フラン、40フラン、50フラン、100フランがあり、パターンもいくつか存在します。
1803年にナポレオン1世が制定した法律により、金貨が標準化されました。金品位は90%が基準。20フランには5.805gの金が含まれています。信頼性が高かったフランスフランの中でも、20フランは最も多く発行されたコインでした。そのため19世紀から20世紀にかけて発行された「ナポレオン金貨」といえば、20フランというのが一般的な認識となったのです。
ナポレオン3世は、私たちがイメージするナポレオン1世の甥にあたります。初代のナポレオンと比較すると知名度は低いのですが、ナポレオン3世が皇帝であった時代、日本は幕末にあたります。最後の将軍であった徳川慶喜とも友好関係にあったナポレオン3世は、激動の時代のヨーロッパを生き、プロイセンとの戦争で捕虜となり、最後は亡命先のイギリスで亡くなりました。
フランスがヨーロッパの大国として輝いた時代のシンボルとして、ナポレオンの金貨は燦然とした輝きを放っています。
合わせて読みたい
日本でも人気!外国金貨の種類・買取価格をご紹介します! そういえば、日本以外にも金貨って色々な種類がありますよね。 そうですね。国外の金貨はコレクション品もとしても、投資資産品 ...ナポレオン金貨をめぐるエピソード
信頼度が高いコインとして人気のナポレオン金貨。
コインに描かれたナポレオン3世は、さまざまな逸話の持ち主です。
コインを楽しむためのエピソードをご紹介します。
皇帝としては2人目のナポレオン、なぜ「3世」?
ナポレオン3世は、ナポレオン1世の弟でオランダ王のルイ・ボナパルトの息子として生まれました。ナポレオン3世は常に叔父ナポレオン1世を意識し、権力の座に上り詰めたといわれています。
しかし、ナポレオンと名乗るフランス皇帝は1世と3世の2人しかいません。
それなのになぜ、ナポレオン「3世」なのでしょうか?
実はナポレオン1世には、「2世」となるはずの息子がいました。
最初の妻ジョセフィーヌと離婚した後、ナポレオン1世は名門ハプスブルク家の皇女マリー・ルイーズと結婚、ローマ王という息子をもうけます。
ナポレオン1世没落後、ハプスブルク家の血を引くナポレオンの息子ローマ王はウィーンの宮廷に引き取られ、フランスへの帰還はかないませんでした。大変な美男子であったといわれるナポレオン「2世」は、亡き父とフランスに思いをはせながら21歳の若さで死去。
即位こそしなかったものの、彼こそが「2世」として有名であったため、ナポレオンの甥はナポレオン3世を名乗ったわけです。
ナポレオン3世の妃は絶世の美女!
ナポレオン3世は、叔父譲りで身長はあまり高くありませんでした。容貌は皇帝としての貫禄はあるものの、とくにハンサムというわけではありません。
しかし大変情熱的な性格で、女性にモテました。そのナポレオン3世、皇帝となり名門出身のプリンセスを妻として迎えようと画策したのですが、ある日絶世の美女に一目ぼれ。
それがスペイン貴族のウジェニーでした。ナポレオン3世は側近の反対を押し切って、ウジェニーと結婚。
クラシカルな美貌のウジェニー皇后は、第二帝政の社交界を彩る華となったのです。
ナポレオン3世が徳川慶喜に贈ったプレゼントって?
ナポレオン3世と聞くと、遠いヨーロッパのお話のように感じます。
でも実は、日本とも縁がある皇帝なのです。
ナポレオン3世が君臨した時代、日本は幕末でした。
フランスは日本との友好関係を結び、アジアにおける外交を優位に運ぼうとしていました。
そこで当時の実力者とされていた一橋慶喜に、軍服や馬を贈ったといわれています。のちに最後の将軍となる慶喜は大変な洋物好きであったそうで、ナポレオン3世から贈られた軍服を身につけた写真を残しています。
帝政時代のフランスの華やかさを感じられるナポレオン金貨
英雄のイメージが強いナポレオン。フランスには2人のナポレオン皇帝が存在します。
アンティークコインにおいてナポレオン金貨といえば、ナポレオン3世の20フランをさすことが大半。第二帝政時代に発行された金貨は、当時のヨーロッパでも信用度の高いコインでした。
日本とも縁があったナポレオン3世の20フラン金貨はいくつかの種類があり、それぞれが歴史を語ります。ナポレオン3世の金貨をきっかけに、ナポレオン1世の金貨を知るのも楽しいものです。
発行年によっては、高値になる可能性も高いナポレオン金貨。
売却を考えている方は、ぜひアンティーリンクにご連絡ください。
経験を積んだプロフェッショナルが、正しく鑑定いたします!
ナポレオン金貨の買取金額・推移は、下記ページからぜひご確認ください。