1000円札のエラー紙幣 | 青い横線は印刷ミス?9の下の線は何?

いまお財布の中に1000円札は何枚入っていますか?
そのうちいずれかの1000円札は「1000円以上の価値がある」お札かもしれません。
見慣れているはずの1000円札なのになぜか違和感を覚えたなら、それは「エラー紙幣」の可能性があります。
紙幣を製造する過程で何らかの要因によって生まれたエラー紙幣の種類をご紹介します。
目次
印刷ミスによるエラー紙幣
エラー紙幣にはさまざまな種類がありますが、中でも一番多いのが「印刷ミス」によるエラー紙幣です。
- 文字やデザインがズレて印刷されている
- 印刷の一部が欠けていたり空白だったりする
- 別々の記番号が印字されている
- 横方向に線が入っている(横線エラー)
印刷ズレエラーの例
野口英世1000円札(E号券)の印刷ズレエラーの例です。
潜像パール模様という偽造防止技術が施されている部分ですが、パール印刷による「千円」の文字が本来の位置からズレた位置に印刷されてしまっています。
傾けてみないと分からないエラーのため、見つけるのは難しいエラー紙幣です。
横線エラーの例
野口英世1000円札(E号券)の横線エラーの例です。
紙幣に対して水平な青っぽい線が何本も入っている印刷エラーの一種です。
裁断ミスによるエラー
まとめて印刷された紙幣は規定のサイズに断裁されますが、何らかの要因によって裁断ミスが発生したエラー紙幣です。
- 紙幣に余分な部分が残ったままになっている
- 裁断がズレて上下左右の余白に差がでている
福耳エラーの例
紙が折れたまま断裁されてしまい、余分な部分が紙幣についたままになってしまったエラー紙幣です。
通常このような断裁ミスは検査段階で取り除かれるのですが、検査をすり抜け流通したものです。
この余分な部分が残ったままのエラー紙幣は通称「福耳」と呼ばれ、高価買取が期待できます。
透かしのエラー
日本の紙幣には偽造防止対策として「透かし」が必ず入っています。
透かしは「白すかし」「黒すかし」といった非常に高度な技術によって実現されており、偽造防止に役立っています。
機械の不具合などが要因となって「透かし」が正常ではないエラー紙幣も存在しています。
特に「透かし自体が入っていない」パターンは、かなりレアなエラー紙幣に分類されます。
- 透かしの位置がズレている
- 透かしの形がおかしい
- 透かし自体が入っていない
透かしズレエラー
「透かし」を施すために空白になっている部分から、ズレた位置に「透かし」が入っています。
光に透かして確認する必要があるため、見つけにくいエラー紙幣です。
記番号エラー
日本の紙幣には必ず記番号(シリアルナンバー)が印字されています。
2024年から発行されている新紙幣では、6桁の数字をはさみ(OとIを除いた24文字の)アルファベットが先頭と末尾に2文字組み合わされた、計10文字で記番号が構成されています。
英字2文字 + 数字6文字 + 英字2文字(合計10文字)
2,985億9,840万のパターンがあり、同じ番号は存在しません。
この記番号は紙幣(表側)の左上と右下に印字されていますが、違った番号が印字されたエラー紙幣が存在します。
セキュリティ機能に関するエラー
紙幣には数多くの「偽造防止技術」が施されているのをご存じでしょうか。
- 3Dホログラム
- パールインキ
- マイクロ文字
- 特殊発光インキ
- すき入れ
- 深凹版印刷
この中でホログラムの欠損や位置ズレ、マイクロ文字(極小文字)の印刷ミスといったエラー紙幣が発見されています。
これらの偽造防止は非常に高精細な仕組みのため、エラーが起きる要因にもなりやすいです。
エラー1000円札の取引相場
1000円札のエラー紙幣はさまざまな種類がありますが、実際にどの程度の価値があるのか気になりませんか?
オークションサイトや買取専門店の取引相場を確認してみます。
オークションサイトの取引相場
Yahoo!オークションなどのオークションサイトでは旧1000円札と、2024年から発行開始となった新1000円札のエラー紙幣の出品が多く見られます。
相場はそれほど高くなく、印刷ミスのエラー紙幣で2,000〜3,000円ほどです。
かなり希少な横線エラーの旧1000円札で12,000円ほどです。
買取専門店の取引相場
次に、古銭の買取専門店での相場を見てみましょう。
紙幣 | エラー | 相場価格 |
---|---|---|
聖徳太子1000円札 | 位置ズレエラー | 2万5千円 |
夏目漱石1000円札 | 見本券 | 20万円以上 |
伊藤博文1000円札 | 福耳付きエラー | 86万円 |
※2024年10月9日時点の相場価格
買取専門店だとエラー紙幣の品揃えも超レア級のものが多く、軒並み高価な取引相場です。
高額になるエラー1000円札の条件
買取専門店の買取相場からもわかりますが、やはり誰が見ても珍しいと感じるエラー紙幣は高額な傾向があります。
- 印刷エラーのズレ幅が大きい
- 色調確認に使うカラーバー部分が残った福耳エラー
- 表面と裏面に同じ図柄が印刷されたエラー
「なぜこれで検査をすり抜けたのか?」と感じるレベルのエラー紙幣は滅多にお目にかかれませんが、もしそんなエラー紙幣に遭遇したら、ぜひ買取専門店に鑑定依頼しましょう。
1000円札のエラー紙幣の見分け方
エラー1000円札はかなりレアな逸品です。
ですが、福耳エラーみたいなわかりやすいエラー以外は、注意して見ていないと見落とします。
高価なエラー紙幣をうっかり使ってしまわないようにエラー1000円札の見分け方を知っておきましょう。
自分で確認できるポイント
まずは自分で確認できるポイントをおぼえておきます。
キーとなるのは「違和感がないか」です。
- 印刷ズレ:印刷がズレていないか、余白に注目
- 透かし:透かしがあるか、ズレていないか、薄かったり濃かったりしないか
- 横線:汚れではない線が入っていないか、透かしのエリアを注目
- 図柄印刷:表面と裏面の図柄が同じだったり、逆だったりしないか
- 記番号:同じ番号が印字されているか
- 福耳:余分な紙が断裁されずに付いたままになってないか
- 偽造防止技術:必要な偽造防止技術が施されているか
上記のポイントは専門知識を持っていない人でもチェックできるため、まずはこの部分を確認してみてください。
偽造エラー紙幣との違い
エラー紙幣は高価です。
そのため、エラーを巧妙に捏造し、エラー紙幣を偽造してネットオークションなどで高額で販売する人もいます。
故意に横線を入れたり、ただの汚れを「希少性の高いエラー」だと偽って出品するケースが該当します。
特にネットでの取引では、現物を確認できないまま取引を持ちかけられたりします。
十分な知識や経験がないうちは、ネットでの取引は控えましょう。
お札の番号9の下に線がある?
「お札の番号9の下に線があるけどエラーではないか?」というお問い合わせをいただきます。
次の画像は、野口英世1000円札(E号券)の記番号部分を拡大したものです。

お札の番号9の下に線がある?
画像を見てみると、確かに「9」の下に線があるように見えます。
ですが、9の下に線があるように見えるのは、残念ながらエラー紙幣ではありません。
もう一つ、別の紙幣の画像を用意しました。

9の下に線があるように見えるのは数字の2
画像でわかるように、「9」の下に線があるように見えたのは、「9」ではなく「2」です。
記番号の書体の「2」が、「9」の下に線があるように見えるのが原因です。
画像は野口英世1000円札ですが、同じくE号券の「樋口一葉5000円札」も同じ書体が使われています。
細かい鑑定はプロへの依頼がおすすめ
自分でエラー紙幣かどうか確認できるポイントを紹介したものの、これは知識を持っていない素人が見てもエラー紙幣だとすぐに判別できるポイントです。
「普通の紙幣だと思っていたが、鑑定してもらうと実はエラー紙幣で高価買取してもらえた」といった事例もあるため、やはりエラー紙幣は細かい部分も含めてプロに鑑定してもらうのが安心・確実といえるでしょう。
判別の難しい「偽造されたエラー紙幣」もプロであれば鑑定できますので、すこしでも迷っているのであれば古銭買取専門店で鑑定してもらうのがおすすめです。
手持ちの1000円札がエラー紙幣かどうか確かめたいとき、もしくは他の1000円札と比べて「おや?」と思う点があれば、ぜひお問い合わせください。
1000円札エラー紙幣に関するよくある質問
紙幣の線にエラーがあるとはどういうこと?
印刷エラーの一種で、紙幣製造の印刷の段階で起こったエラーです。
よく見ないとわからないエラーのため、チェックをすり抜けて流通してしまいました。
エラー1000円札の価値はいくらですか?
状態やエラーの種類、エラーの大きさによって価格が変わります。
印刷ミスのエラー紙幣で2,000〜3,000円ほどです。
希少な横線エラー紙幣で12,000円が目安です。
TEL:☎03-6709-1306(営業時間 11:00~18:00)
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3丁目18−35 OKビル 501